本当にあったか微妙な怖い話(黒歴史)

本当にあったか微妙な怖い話

第一回 風呂掃除 秋も深まり、夕暮れが全てを朱色に染めている…その美しい景色を気にも留めず私はただ何を考えるでもなく自転車をこいでいた…学校から帰ってきた私はとりあえず着替え、うがいをして、なんとなく新聞のテレビ欄を開き、今の時間を確認した。だいたい、いつも帰って来る時間は四時半位と決まっているのに時計を見てしまう。そして今日の見たい番組だけ確認し、少し休むことにした、家には今誰もいないのか静まり返っている。そういえば、朝起きた時、留守番を頼まれていた気がする…寝ぼけていたのか記憶は確かではない。仕方がないので料理を作り、風呂掃除、その後テレビでも見ることにした。料理は、この頃始めたばかりだが少し自信がある、しかし、家族は誰も食べたがらない、その昔、洋食に憧れくそマズリゾットを作ったことがある…生の米を牛乳で煮込み冷蔵庫の中にあったとろけるチーズ、味噌以外の調味料をぶち込み、「何かが足りない」といいながら気が狂ったように水で薄めているのを今でも記憶している、それがきっかけで料理をやめたのだった、しかしあれから何年も経っているので、根拠はないが自信があった…材料を見ると玉ねぎ等の野菜類、名前は知らないが何処かで、見覚えのあるキノコ類数種類、あと肉がある、「無難にカレーライスにするか」とりあえず野菜を切り、炒めずに鍋にぶち込み、肉も冷凍されていたが「まぁ大丈夫だろ」とりあえず同じ鍋にいれ、牛乳で煮込み始めた。「そういえばコーヒーを入れると旨くなるとか…」「そういえばキノコ入れ忘れた…」「ウズラのタマゴ入ってるとテンション上がりますなぁ~♪」「トロミってどうやってだすの?じゃが芋?」「そういえばカレー粉ない」「スパイスはウコンと…あと草」「なんか作ったばかりなのに腐ってる臭いするなぁ~」「臭い消しは、エイトフォーまいとけば…」「味見味見~♪…ふがっ…ごふっごふっ…何か足りない気がする?もう一口…なんかうまく…うまっ…うま…まっま…マァコンナモンカ」「なんか頭、痛いなぁイヴないかなぁ~とりあえず風呂掃除するか」私はA型なので風呂掃除がはじまると終わるまですごく時間がかかる。日も傾き寒くなってきたので、窓を閉め、とりあえずカビキラーを連射した、さっきのカレーのパンチが強いのか、どこかで水の流れる音がするその音は次第に大きくなりそれと同時に私の中の不安は増大していく「お母さん!?いるの?」私の頭の中ではいないことは理解出来ているのに、居る訳がない者の名前をよんでいた、そうしているうちにも音はどんどん近づいて来る、そして風呂釜のなかに水が溜まる音がするのだ。「何故?」音はするのに何もない恐怖感が私を包んだ…私は思った「そろそろ7時だテレビ見ないと!」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る