第14話 赤毛の魔人

大木が飛んでくる。

3メートルは有りそうな大木がるるる子ちゃんに投げつけられた。


はどーけん!


大木がるるる子ちゃん達に届く前にるるる子ちゃんは撃墜。

だってるるる子ちゃんのすぐ横には巫女のお姉さんもいるのだ。

キスキル・リラだっている。


るるる子ちゃん自身は、まあ。

魔王城壊したのはやり過ぎだったかなぁと反省中。

誰かに怒られてもしょうがないや。

だけど。

お姉さんやキスキル・リラを巻き込むのは許せない。


「おっ、やるじゃねーか」


笑う赤毛の魔人を睨むるるる子ちゃん。 


すぱいらるあろー!


るるる子ちゃんが飛んでいく。

足蹴りをアスモダイにかますのだ。


蹴り飛ばされる赤毛の魔人。

積んであった大石の中に突っ込む。


もう、この男は迷惑だな。

せっかくオーガさんやグレムリンちゃんたちが用意した建築材料を散らかして。

ダメじゃない。


いや、そこに蹴り飛ばしたのはるるる子ちゃんなんだけどね。

そんなるるる子ちゃんに大岩が飛んでくる。

サッと避けるるるる子ちゃん。


見ると岩の中に人影が立ち上がっている。


「やってくれたじゃねーか。

 この俺様をふっとばすとはな」


もちろん、赤毛の大男。

狂暴なる魔人。

アスモダイであった。




王国、るるる子ちゃんが現れた召喚の広場である。


「キサマ、この我らが使ってやろうと言うのだ」

「役目をキチンと果たせば神殿に返してやる」


「は、はい。頑張ります」


巫女の姿の少女が答える。


脅しているのは王国の貴族たちである。

彼等は山奥の神殿から巫女をまた攫って来ていた。


「先日の巫女は大変なコトをしでかしたぞ」

「その罪滅ぼしだ。次に能力の有る者を渡せ。


兵達を使って神殿を脅したのだ。



「しかし、大丈夫であろうか」

「先日の勇者は見た目以上に強大で有ったぞ」


「フン、あれは王が怒らせたからいけないのだ。

 勇者など、ウマイ事言っておだてて使えば良いだけよ。

 そんなコトも分からんから、あの王はオロカだと言うのだ」


巫女姿の少女。

るるる子ちゃんの近くに居る召喚の巫女より年下。

彼女に妹のように可愛がられていた少女である。


お姉さま、魔族に攫われたと言うけど無事なのでしょうか。

私が強い勇者を呼び出して、その力でお姉さまを救って貰います。


少女の祈りは純粋。

その純粋な心に応えて召喚の儀式は発動しようとしていた。

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