恋愛と順番の手紙。

蜂屋二男

順番 (あの時) 上

僕はどうしても、順番は”大事”だと思う。


大好きなうどんだって、行列があるなら必ず列に並ぶし、料理本だって必ず1、2、3、指示どうりに作ってる、思えば小さい頃の知育菓子の製作手順も必ず守ってきた。


仕事の終わりに行きつけの、深夜開店する喫茶店で、読書をしながら、明日から始まる連休に思いを馳せている時だった。

ぷかぷかと妄想にふけていると、寝ていた。


目が覚め、気づいた時には終電まで15分弱。



会計を済ませ大急ぎで駅に走った。

夜の街は人が少なく走りやすい。

(これなら間に合う)

猛スピードで走っていると横断歩道に入ったとこで、

「待ってってえ!」

余りにも大きな声だったので立ち止まって後ろを振り向く、

遠くからグングン走ってくる、小さい影が目に前で立ち止まり、

僕の顔をむくっと見上げ、

「お客さん忘れ物・・・」

君の右手には僕の本があり喫茶店に忘れていた事に気付いた。

「すみません、あり…」

プーーーー!!プー!!!!!!!

車のクラクションだ。

横断歩道の信号を見てみると赤で、つまりクラクションを鳴らしている方は青。

「邪魔になりますよ!」

手を引かれ、横断歩道外に出て、君が

「ビックリしましたね」

笑いながら言う君はとても綺麗だった。


彼女に初めて逢ったのは時間がない深夜00時38分、終電まで残り6分の横断歩道。




五年前、の今日、確か、こんなのが、ソミちゃんとの出会いだった。











ー=ー=ー=ー=ー

キラキラした恋愛を描くのは苦手です。

コメントきたら嬉しい。

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