秘密の過去

@hironosuke6565

第1話

君と出会って一年目。


早いね。でもやっと一年という感じもする。


今日は二人だけのアニバーサリー!


君は5分遅れて到着した。


「遅れてごめんね」


気遣いのできる女性というところに惹かれた。


君は、開口一番こんな事を言った。


「今までずっと言おうと思ってたの。


あなた…うん、なんでもない。」


僕は気になって促したが、断固拒否して何も言わなかった。


デートをいくつも重ね、最後は山手のレストランで夕食をした。


君は急に倒れた。


僕は救急車を呼んだ。


病院の先生が言った。


「彼女は身籠ってます。」


僕は、覚悟を決めた。


君は言った。


「あなた、私に堕ろしてとか言うんじゃないかと。そう言われたらあなたとは別れて一人で育てるつもりだったわ。」


私は言った。


「君の気持ちはわかる。男って勝手なもんだからね。でも俺は君も二人の子も捨てたりしない。何故なら…。」


空を見つめて言った。


今まで隠してたけど俺は捨て子だったんだよ…

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