人形探偵
ミステリー兎
プロローグ
花見町――。様々な種類の花が咲き誇る綺麗で鮮やかな町。そう呼ばれていたのはずっとずっと前のこと。突如として男性をターゲットに夢から戻らなくなる眠り病や髪の毛の色が落ちて真っ白になる
「ねえ、この町って呪われた花見町?」
「ああそうだよ。あの噂知ってる?」
「ああ、不気味な人形屋。和服を着た日本人形みたいな髪の毛の子供の幽霊が居る……。その店の人形かその子供を見ると呪われるんでしょ?」
「今日泊まるのはこの町を抜けてからにしようぜ……」
花見町はもともと山に囲まれた田舎町で人口も少なかったが、最近この手の噂も相まって大勢の人をあまり見かけなくなった。
「嫌われたもんだ。まあ、ボクもこんな町大嫌いだから別にいいけどね」
少し山を登った所に位置する『人形屋(展示のみ)、探偵屋』と書かれた小さな人形屋のカウンターにパーカーと羽織の中間のような服を着た前髪ぱっつんショートカットの顔が整った子供がいた。中性的でその目は鋭く、何かを諦めているような表情をしていた。
「今日もどうせ客もこねーし、人形の髪の毛の手入れでもしよ」
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