ショウワマスク140字小説コンテスト

ショウワマスク140字小説コンテスト おそろいのストラップ


ころころと小さなウサギが揺れる。

おちょぼ口の可愛いウサギ、今日は特別な日。

今日だけは許してくれるだろう。

「どこに行こうか」

「どこでもいいよ」

地平線に沈む空を追いかけて線路沿いを歩く。

誰もいない、たった二人だけの世界だ。

終着駅すら私たちには何も残されていない。

だから、歩くのだ。

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