二年越しのレクイエム
遊一(Crocota)
プロローグ
―――この人形の持ち主を探してください。―――
部屋にいる二人の男のうち、一人が言った。
歳は四十くらいだろうか。声の主は人当たりのよさそうな笑顔を浮かべ、じっと立っている。少しの間沈黙が続いたが、その表情はどれだけ見つめても全く崩れる気配がない。
―――あやしい。―――
向かい立つ男は、目の前の男へ対し訝しげな視線を投げかけた。
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