好きでもない幼馴染とえっちの練習をしてから美少女にモテ始めたけれど、幼馴染がなぜかクーデレる。
ゆきゆめ
一章 『新学期』編
第1話 これはあくまで、練習だから。
「なぁ、マジでやるのか?」
「トーゼン。なに? 今更怖気付いたの?」
「……っなわけねえだろ」
「じゃぁ、やろうよ」
「まずは?」
「いきなり女の子任せとか。だからモテないの」
「うっせ。おまえに合わせてやろうってんだろ? 少しは可愛くできねえのかよ」
「……………まずは、ベッドで……服、脱がせて」
「っ……、わ、わかった……」
「その次は、キス……してみて」
「キスまですんのか……」
「……ト、トーゼン、でしょ。優しく、ね……」
「おう」
「————んっ……!? んっ……ぅん……ちゅぷ……んぁ……っ」
・
・
・
「しちゃった……」
「……そうだな」
「優しくって……言ったのに」
「それは悪かったって。俺だって余裕なかったんだよ」
「ヘンタイ」
「お褒めに預かり光栄です」
「…………後悔してる?」
「べつに」
「…………ワタシも、してない。てゆーか、ワタシにとってはこれからだし」
「せいぜい頑張れ、高校ビッチデビュー」
「ビッチじゃない。ワタシはただ……人より色々不安なだけ。だから練習が必要なの」
「それで俺を利用した、と」
「トーゼン」
「都合のいい幼馴染がいて良かったな」
「…………勘違いしないでよね。これはあくまで、練習だから」
「わかってるよ」
「……………ぁりがと」
「あ? なんか言ったか? 聞こえねぇ……って、こいつ……」
「すぅすぅ……」
「寝てやがる」
「むにゃ……」
「はぁ……相変わらず可愛くねえやつ」
薄暗闇の中、彼はベッドで眠る彼女の黒髪をさらりとかきわけて数秒見つめた後、背を向けて寝転がった。
それは2人の間に、幼馴染という関係以上の何かが生まれた日。
肌を重ねてしまったその意味を、彼らはまだ知らない。
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