第2話 聖女テイル



 私の名前はテイル。


「今日の仕事、ご苦労だったな」


 本部に戻った私は、今日の仕事について上司に報告した。


 上司はその報告を聞いて、気分を良くし「じっくり体を休めてくれ」と言う。


 聖女である私は、聖女教会で働いている。


 同僚は百人ほど。


 数は多いように見えるが、聖女の力を十分に発揮できないものもいるため、実はあまり足りていない。


 なので、一人当たりの労働が、けっこう多いのが現状だ。


 国の災害に備えて、支援要員を育成しようという計画が数十年前に持ち上がった。


 その計画を受けて、各地に育成機関がつくられたが、まだまだその試みの達成は十分ではないようだった。


 だから、重要な戦力として扱われる私が、そうそう切り捨てられるとは思わなかったのだが。


 廊下を歩いていると、他の聖女達の声が聞こえてくる。


「一週間後に、国の試作軌道列車がお披露目されるみたいですよ」

「まあ、本当に? 聖女も呼ばれるのかしら」

「そうでしょうね。私は声かかってないけど。重要な催しだし、試作だから万全の備えをしておきたいんじゃないかしら」


 その時は、私はその催しには関係ないと思っていた。


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