聖女の力で人を助け続けた私は、あっさり切り捨てられて他国の住人となる

仲仁へび(旧:離久)

第1話 支援要員の価値



 私の目の前で大きな事故が起こっていた。


「大変だ! 火が噴き出てる! 早く中の人を助けにいかないと間に合わないぞ!」

「助けるったって! 瓦礫でふさがっててどうにもなんないよ!」


 どうやら、大きな建物の中に大勢の人達が閉じ込められているようだ。


 しかも、内部では火災が起きているらしい。


 かけつけた救助隊も手を出せずにいた。


 閉じ込めの原因となっている、がれきが多すぎるのだ。


 だが、だからこそ聖女である私の出番だ。


 私は魔法を駆使して、救助達の能力を底上げした。


 すると救助隊の人達は、がれきをどけて先へと進めるようになっていった。


 あとは、運び出されてきた人々の治療も行っていく。


「ああ、これで助かった! 聖女様のおかげだ!」

「聖女様の力はなんてすばらしいんだ」


 かつて昔、聖女は支援魔法や回復魔法を使用して、多くの人を助けてきた。


 しかし、時代の変化に伴って、役割が変化してきたのだ。


 ただの支援要員だった者達は、聖女となり各地で多くの人助けをしていた。


 なぜか攻撃魔法や妨害魔法が消えていったため、支援要員の価値が上がっていったのも理由の一つになるだろう。


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