第5話 二十五日目



 二十五日目。


 こっ、婚約破棄に応じる!


 だと、どうしてこうなった。


 いやっ、原因は分かってる。


 まさか俺達のやりとりを運転手がチクるとはな。


 くそっ、このままじゃ本当に婚約破棄されちまう。


 それだけは嫌だ。


 ずっと好きだったのに、こんな所で諦めなくちゃいけないなんで絶対に嫌だぞっ。


 なんとか。

 なんとかできないのか。


 俺が素直になればいいだけ。いいだけなんだけど、


 ここまできたら、ふりあげた拳を振り下ろす事に抵抗感がっ。


 ううっ、俺はどうすればいいんだ。


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