キリ鬼譚(きたん)
@inuitatsumi515
用語解説
※ 主な登場人物 ※
・キリ……謎の多い青年穢物狩り。泰然自若とし、何事も己の力で切り抜ける経験と実力と現実離れした言動の持ち主。得物は小太刀。三十代に見えるが実は二十代前半。
・藤花寧人(ふじばなねいと)……兄を惨殺した仇を探して旅する穢物狩り。一見すると女性とも見紛う美形。世慣れた風を繕っているが、どこか抜けている。得物は黒塗り笹穂槍。十七歳。
・羅切(らせつ)……本名不詳の壮年穢物狩り。羅切の名を名乗り、長大な野太刀を獲物とする以外その真の実力も経歴も不明な得体の知れない人物。
・金助親方……田日良町(たひらまち)石呉丁(いしくれちょう)に住まう元石工方頭領の老爺。今は石呉丁に表店といくつかの長屋を構えてその店賃で暮らしている。人当たりもよく丁名主や町人から大きな信頼を得ている好人物。
・石呉丁名主権左衛門(ごんざえもん)……田日良町の丁を総括する丁名主の一人。丁名主は町を支配する代官の代わりに丁を差配し管理している。権左衛門は長いものに巻かれる絵に描いたような小人物。
・勘吉親分……代官所同心から十手を預かる石呉丁の岡っ引き。公平で正義感の強い男。普段は石工をやっているので腕っぷしも強い。
※ 用語解説 ※
・穢(けがれ)……この物語の舞台である世界『御野御路洲(おのごろしま)』にある、当たり前の何か。空気のように偏在し、生き物を徐々に蝕む。一時に取り入れたり、限界を超える獣は穢物に、人は黒腫(こくしゅ)を発症する。黒腫は致死の病。しかも壮絶な苦痛を伴い、人とは思えぬ異物に変じてしまうため、とても恐れられている。
・穢物(けもの)……穢を取り込みすぎた獣の成れの果て。御野御路洲の大地を我が物顔に闊歩する人の天敵。なぜ、獣は黒腫にならずに別の生き物に変じるのかはわかっていないが、古代の昔から人に歯牙を向ける不倶戴天の敵として人々を恐れさせている。
・客子(まれこ)……どこからともなく桃橘榊の杜に現れる不思議な赤子。穢に対して高い抵抗を持ち、多少のことでは黒腫にならない。そのため、古くから穢物と戦う宿命を背負わされている。
・穢士(えじ)……穢物に真っ向から対抗できる人類の鉾。客子の男児が成る。幼い頃から穢物を殺すための訓練を積み、驚異的な身体能力を有する。穢物と戦うということは穢に塗れるということ。人々は彼らを穢れたものとして忌避する。
・巫女(みこ)……穢士と対を為し、唯一、穢を浄化できる人類の盾。客子の女児が成る。客子の女児はみな見目麗しい容姿をしているため、その浄化の力と相俟って人々から崇敬を集める。
・桃橘榊(ときさか)……大地に溢れる穢物から人々を守護する木々の結界。文字通り桃と橘と榊で構成された混在林で、穢に耐性の低い庶民や武家、公家といった生粋たちの根拠地にして唯一の生息圏。人は桃橘榊なしには文明を維持できない。
・鬼型(きがた)……穢物の中から時折生まれる、穢れきった穢物の成れの果て。超常的な力を持ち、穢士ですら屠殺に多くの犠牲を覚悟しなければならない難敵。正確には鬼型穢物と呼ばれる。
・鬼……伝承上の存在。もし、鬼が存在すれば人はもう御野御路洲の大地に生きていけなくなるといわれているほどの途方もない化け物。八面六臂に十丈もの巨体で山を砕き湖を飲み干す。客子が穢れきって死ぬことなく耐えた時、鬼が生まれるとされている。その為、穢士と巫女は必ず組を作って御役目に投入される。が、穢士たちですら鬼は見たことがないし信じてもいない。
・国府と元町……御野御路洲には多くの国がある。その国の統治者が住まう町が『国府』と呼ばれる。『元町』とは戦に敗れた国の国府であり、桃橘榊の環境が整っているのでそのまま人の居住地として利用される。町と呼ばれる場所は基本的に国府を指すので、“元”をつけて区別している。
・農村……農耕に適した土地に家屋を立てた農耕地を指す。農繁期にのみ人々が居住し、農閑期には穢物の襲来を避けて町に戻る。農夫は夫役であり、農業は適齢の町人が賦役として従事する。
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