あまのじゃくな遺言

レイノール斉藤

問題

 今夜が峠と言われた大富豪の老人Aは、仲の悪い三人の息子BCDを自室に呼び出した。

 BCDの三人が部屋に入ると、そこには錠のかかった箱が置いてあった。

 Aは遺言を告げた。


「この箱の中には私の財産の全ての権利書が入っている。最初に箱を開けた物にそれを譲る。錠を開ける為の鍵となるヒントはこれだ」


 Aは三人にそれぞれヒントの書かれた紙を渡した。


「言っておくが、錠を無理矢理開けたり、他の二人のヒントを盗み見たらその場で継承権は無効になる」


 箱の側には常に見張りがいて不正はできそうにない。

 その日の夜Aは亡くなった。BCDは遺産を独り占めする為、我先にとヒントを解き始めた。結果、Bが1番に解き、次にD、一日遅れてCが解いた。

 だが、結局財産は三等分されることになった。Bは不本意ながらも渋々了承した。


 何故だろう?

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