機械人形は壊れない

第1話

　機械人形は壊れない。

　だから、人間の変わりにどんどん危険をおかしていく。

　その体には丈夫な物いがい何も詰まっていないから。

　奴隷よりも下に見られていく。

　機械人形は分からない。

　微笑みを浮かべる事はあっても、感情は動いていない。

　だから、不要になってもゴミをすてるような感覚で捨てられる。

　機械人形は涙を流さない。

　瞳に入ったごみを流すために、洗浄液を流す事はあっても、

　その心に悲しみを抱く事はないから。

「今日からあなたに、人形をプレゼントするわね」

　あきっぽい子供に、

　無知な子供に、

　力加減を知らない子供に、

　ぴったりの贈り物なのだ。

「お母様、また別のお人形が欲しいな。もう汚くなったし、飽きたんだ。捨てるから新しいのちょうだい」