無垢な幼馴染がガーターベルトをつけて学校に来たのだが、それがエッチなものだと気付いていない【短編】
BIG納言
ガーターベルトの幼馴染【一話完結】
それはとある月曜日の朝のこと。
いつものように電車を乗り継いで、高校に到着し、朝の教室で一限目が始まるまでの時間をぼーっと過ごしていた。
黒板上の時計を見る。8時45分。
授業が始まるまであと15分もある。
暇だな……と思いながら、何となく教室前方に視線を向けたとき、俺は目を丸くした。
幼馴染の
「嘘だろ……」
思わず、ぼそりと独り言をつぶやいてしまう俺。
ガーターベルト――なんでそんなもの着けて学校に来た……?
もしかして、それがどういうものか分かってないのか……?
あいつ、ちょっと抜けてるとこがあるからな。その可能性が高いと思われる。
正直、比奈乃は学校一と言っても過言ではないくらいの美少女である。
そんな美少女がエッチなランジェリーを装着しているものだから、クラスの男子の目線は比奈乃の脚に釘付けになっている。
一方、女子はと言えば、気まずそうにして何も言い出さない。
このままじゃ、比奈乃が恥をかくことになる。
……くそっ、俺が言ってやんなきゃなんねえか。
「比奈乃、ちょっと来いっ!」
自分の席にカバンを置いた比奈乃に近寄り、俺は彼女に声をかけた。
「あ、しゅーくん。おはよ〜」
「いいから来い!」
小声でそうささやくと、比奈乃は呑気に俺の後ろをついて来た。ちなみに、しゅーくんとは俺のことである。
◆◆
廊下を歩き、誰もいない音楽室に比奈乃を連れて行った。
「どうしたの、しゅーくん?」
「どうしたのじゃねえよ。それ何だよ⁉︎」
比奈乃の脚を指差し、俺は早速、無垢で無知な幼馴染に問い詰める。
「あ、これのこと? よく気付いてくれたね! どう〜? おしゃれでしょ?」
こいつ、やっぱり分かってないのか……。
ただのおしゃれアイテムだと思っているのかもしれないが、それはとてつもなくエロいランジェリーだぞ……。
「……それはガーターベルトって言うんだ。どういうものだか知ってるか?」
「がーたーべると?」
「やっぱ知らないのな。あのな、ちょっと言いにくいがそれはな……ものすごくエッチな衣装なんだぞ?」
俺が真顔で真実を教えてやると、
「もう、しゅーくんったら冗談よしてよ(笑)」
比奈乃は笑いながら俺の発言を否定した。
だめだこいつ、俺の指摘を冗談だと受け止めている。
頼む、信じてくれ〜っ!
このままでは、比奈乃にガーターベルトばどういうものだが説明することができない。
どうしたらいいだろう?
考えを巡らせていると、ふといいアイディアが浮かんだ。
俺はスマホを取り出し、『ガーターベルト』とインターネットで検索する。
「見ろ!」
そう言って俺は、画面検索の結果を比奈乃に見せた。
そこには下着姿の女性のエッチな画像がたくさん並んでいる。
「何これ……?」
「お前が今、履いているものだ」
「えっ⁉︎ これってそんなエッチなものだったのっ⁉︎」
「ようやく分かったか」
「嘘でしょ……そんな……恥ずかしいぃ……」
顔を真っ赤にして、しゅしゅしゅ〜っと風船のようにしぼんでいく比奈乃。
「そんなの知らなかったよ……。しゅーくん教えてくれてありがとう……」
「理解してくれて安心したよ」
すると比奈乃は、なんとその場でガーターベルトを取り外しにかかった。
「じゃあ脱ぐね……」
制服のスカートをたくし上げる。
エッチな下着が全部丸見えじゃないか!
……ピンクと黒のエッチすぎるパンツだった。
「って、おい! もうちょっと隠したりしろよ!」
「え〜、どうして? しゅーくんは幼馴染だし、別に何とも思わないでしょ?」
「なわけあるか!」
「え? ってことは、しゅーくんもわたしを見て興奮するの……?」
「仕方ないだろ……そんな格好してたら……男子高校生には刺激が強すぎる!」
俺は正直にそう告げた。
しかし比奈乃は、それを聞いて、なぜだか機嫌良さそうににこにこしている。
わけがわからない。
しばらくして、比奈乃はようやくガーターベルトを取り外し終えたようだ。
「授業始まるから、教室に戻るぞ」
「うん」
そう言って俺は音楽教室を出る。しかし比奈乃がついて来ない。
「どうした? 行くぞ?」
すると比奈乃は、上目遣いであざとく俺の顔を見上げる。
「このがーたーべるとは今度、しゅーくんだけに見せてあげるね♡」
この幼馴染がどこまで本気なのか、俺には分からない。
終
◇◇
ここまでお読みいただきありがとうございました。本作品は短編であり、これで完結となります。
シチュエーションが好き、比奈乃が可愛いと思えた方は、★いただけると幸いです!
その評価が作者の励みになります。
無垢な幼馴染がガーターベルトをつけて学校に来たのだが、それがエッチなものだと気付いていない【短編】 BIG納言 @lambda2139
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