死神

藍崎乃那華

過去

「やめてっ!私は、嘘なんかついてない!!!」

「それもどうせ嘘なんだろ?私の近くに幽霊がいるなんて、なんでわかるんだよ?!」

「私は、しにがみだから…だからわかるっ…。」

「幽霊なんてこの世に存在しないんだよ!」


誰にも信じてもらえなかった。

自分が死神であること。幽霊と話せること。死神の仕事を全うしなければいけないこと…。何回嘘だと罵られただろう。

それでも私は死神なんだ。わかっている。幽霊からのメッセージは生きてる人間に伝えると言う使命があると、何回も先輩に教わった。だけれど、嘘だ、信じられないと罵られる度、自分が死神であることを恨んだ。

そしていつしか、死神の仕事を放棄し、自分が死神であることを隠した。私は普通の人間として生きる、と決めていた。なのに…。

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