大きく広いあなたに会えて…

第1話 イミナシノワタシ

私は何も感じない。

ただ生きていだけの人形みたいなもの

お母様の言う事を聞いて

成績上位をキープして

お母様の言う通りに、友達は作らない。

ただ、お母様の言う通りにしていればいい。

５年前、あの時から私の時間は止まった。

それから、どう生きたなんて、分からない。

お母様の言う通りにやってきただけ。

ただ勉強の為だけに学校に通い

将来、エリートになる為だけに勉強をして

有名大学に合格して

エリート街道をまっしぐら。

同じエリートで、それなりの血筋の人と結婚して

子供を産んで

その子をエリートに教育する。

お母様は、いつもそう言っていた。

だから、私は、お母様の言う通りにやっている。

【私】がない？

そう…私には【私】がない。

５年前のあの日から…私には【私】が失われた。

その日から、単調で変わらない毎日が続いている。

昨日も一昨日も、今日も、明日も、明後日も

そういう日々が続くと思っていた。

でも、昨日と同じ毎日が…

音を立てて崩れていく…気がした。

あなたに出会ってよかった。