Vオタとバーチャルアイドルは恋愛できない!!

波乗りフエイ

第1話 Vオタ

──1970年

  オタクは誕生した。


当時、オタクというのは製作者間のスタッフ同士が呼んでいたもの.......いわゆる愛称だった。


その後、当時SFのファンの中でもその呼び名は広がっていき、オタクは時代の波に乗り遅れる事なく進化を遂げてきた。


そして、近年オタクはさらなる進化を遂げ、様々なジャンルも増えている.......


飛行機オタク、ゲームオタク、アニメオタク、アイドルオタク

などなど.......


──そして、もうお気ずきだろう。


そう、俺(桐生きりゅう れん)もいわゆるというグループの仲間なのだ!!


さて、俺が一体何のオタクか、だって?

フッフッフッ、教えてやろう!

その名も

バーチャルアイドルオタク


通称

だ!!」



──ガチャッ、ギギギッ


扉の開く鈍い音が、部屋全体に響き渡った。


「おはよう、兄さん。起きてる?」


弟が扉の隙間から様子を見ている.......


春樹はるき、入る時は扉ノックしろって言っただろ!」


さっきまでの独り言を隠そうと、慌てて少し大きめな声で話した。


「ごめん兄さん、扉ノックしても全然気づいてなさそうだったから.......」


そういえば、途中で誰かノックしてたな.......


「そ、そうか、悪い。ちょっと歌ってて、全然きずかなかったわ.......」


「フフ、兄さん朝から元気だね!

朝ご飯出の用意できたから降りてきて。」


──何とか誤魔化せたか、


「わかった、すぐ降りる。着替えてから行くから、先に食べててくれ。」


──ギギギッ、パタンッ


弟が階段の降りる音が聞こえなくなったのを確認すると、そっと胸を撫でおろした。


──弟には、オタクなんてバレたくないよな、

流石に.......


部屋の隅に落ちているシワの入ったTシャツとズボンに着替え、ドアノブを回した。

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