父を探さないと1000万

CACARROT

第1話

私には父がいる

多くの人もそうだろう。試験管ベイビーじゃないかぎり。

ただし、父にあったのはおよそ15年前が最後だ。

あれから生きてるのか死んでるのか分からんが、おそらく生きてるのだろう。


なぜならほぼ毎日消費者金融から借金の催促状が届くからである。それも複数の場所から。

一体何に使ってんだろ。アホな宗教とかにハマってるんか?

この前気まぐれで借金の額を計算したら前に比べて1000万を増えていた。


1000万かぁ。貧乏しか知らない私から見ればとんでもない額である。

1000万あれば今までどおりの生活をしていたら20年は暮らせるな、うん。


そんな額をものの5年ちょいで借金の額を増やせるんだから大したもんだよ。


こんな感じで増え続ける借金の催促状が届くもんだからまぁ生きてるんだろうなとは思う。

ただ、住んでる場所が分からん。


4年前、父の住民票を見に行って確認したところ新しい住所に移っていた。

試しにその住所に向かったら全く知らない人が住んでいた。

住所も詐欺ってお前どこにおるんや…。


そしてつい先日。

弁護士から連絡があった。

父が返さないから連帯保証人として貴方が払わないといけないと。


いやいや、サインしたことありませんよ。

と返したところすでに書類があり契約が成立しているらしい。


詰  ん  だ  な  !

私の人生。グッバイ、見ることもなかった幸せよ。

いつも運が無いなーとは思っていたがここまで来るとは…


ただこのまま私が払うのも癪だ。1000万も持ってないし。なんなら2桁減らしたら全財産ってのが現状。

自己破産もしたくない。


そんなわけで私の父を探して3000厘が始まるのだった

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