4 主任研究者耐久度測定計画
IMRO第3試験棟。ここでは総勢300名の研究員が、場合によっては昼夜を問わずDEの研究や、それに関係する様々な
――DE研究チームの目的は唯一つ、別次元の発見である。
第3試験棟4~5Fを専有する
「こちら
「あ~こちら
――ブーブーブーブーブーブーブーブー
けたたましく
「こちら
先程ベルハルトと調整していたとみられる黒い鎧、
今回の
「こちら
幾度も手を変え品を変え、天才同士が頭を捻り、会議の度に名案と言えるような
1属性での次元歪曲、発見、発掘、を目指すのもこれが最後であった。
クロムは1人
「こちら
「……はい、こちらは……」
――キーンザーザーキーンザーブツ
「……通信乱入失礼、こちら
「ベルハルトか、わかった。要請を受諾した。
「温度が上がり過ぎだ。
[理解しました。【IMRO】研究員No.5324、カイン・シュヴァルツ本人の声紋及び
◆◆◆◆◆
――その日146回目を数えた
「やっぱダメだったわね~」
「データは取れた、クロムも無事だった、言うこと無しだ」
「……あんただけよ~そんなこと言ってんの、みんなの顔見たでしょ?」
「落胆……だったな」
ティエラとエドワードは
これは気分だけでも味わうことは人間として大切なこと、という数百年来人類が重んじてきた理念である。と、信じられている。
「まあでも実際【GC】がいなかったらちょっとヤバかったかもね」
「ああ、そうだな」
「……エド、あんた本当にそう思ってんの? 既に帰りたそうじゃない」
「ああ、そうだな」
「はぁ、もう……帰りましょ、怒る気も失せてきたわ」
「
「もうアプローチから変えなきゃダメね、明日考えてみましょ」
「明日は休みだ」
「じゃあ来・週!」
試みは何度繰り返そうとも厳密には無駄ではない、しかし時には発想そのものを変えなければならないこともある。
「しばらくは会議ね」
「ああ、ではまたな、ケムが待っている」
「あんたは犬じゃなくて娘さんとうまくやりなさいよ」
「……大きなお世話だ、帰るぞ」
この日の
✡✡✡✡✡✡
『――人類の進歩は正に忍耐の連続である。最も忍耐強い者だけが成果を勝ち取れる。
とは詭弁だ。忍耐強さは
科学誌ヴァーハイト、ベルヒルト・ラスティンスタインのインタビュー記事より抜粋
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