第16話 ペリドットの真実
9月1日 10:00
うるさいなあ…。「もう、お前は黙れよ。」今まで黙って見ていたが、もう限界だ。何が自業自得だあ?流石にセージに任せっきりにはしていられない。俺だって父さんを殺されてるのだから。セージには悪いが、早めに封印させてもらう。俺はジョーに金縛りの魔法をかけた。
セージも分かってくれたようで、ジョーを箱に入れ、封印の魔法をかける。そして俺とセージの二人が飛び立った後、凍っていた海を元に戻した。
「封印完了だな。」
俺が言うと、セージは「だな。」と赤くなった目を隠すように笑った。
それから、魔物を退治したと連絡があり、また少しして国の修復が終わり、俺やチームのメンバーは城の図書室に来ていた。全員同じテーブルの席に腰掛け、暗い表情をしている。
俺は先程見つけたペリドットという本を出して、声に出して読み始めた。
「この世界に人類が誕生するずっと昔、この町はドラゴンの町だと言われていた。魔法生物であるドラゴンが唯一存在していたからだ。彼らは良心というものを知らず、全て自分の欲求に従って生きていた。"生きたい"という欲求に。だんだんその願いは、"快適に生きたい"、"周りにどんな影響が及ぼうが関係ない、自分さえ良ければ全て良し"というものに変わっていってしまった。それを良く思わなかった神は、この町に隕石をぶつけ、ドラゴンの数を激的に減らした。残ったのはたった一匹。他のドラゴンに庇われた、ドラゴンの中のトップのようなやつだった。
そして、この国に人類が誕生して1000年。残った一匹のドラゴンに悩まされ続けたこの町の、正午の太陽の真下で赤ん坊が発見された。まるで太陽のように肌を赤くして、大きく泣いていた。その子を拾った男は、その子に"ペリドット"という名前を付けた。神秘的な石の名前であり、で、"太陽の石"という意味だ。ペリドットと名付けられた男の子は、不思議な力を持っていた。空を飛んだり、物を引き寄せたり、手からビームを出したり、口から火を吹いたり…とまあ、これが魔法の始まりだった。人間は男の子を崇め奉り、太陽の子だとか神の化身だなんて呼んだ。しかし、彼が16歳になる年にやっと分かったが、彼が誕生してからは4年に一度しか赤ん坊が生まれなかったのだ。しかもその内の12人は魔法が使えた。
16歳になったペリドットは、長年町の平和を乱してきたドラゴンと戦い、封印した。
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