彼氏と親友と過去

 「はぁ!幸崎がクズ先輩に寝とられたぁぁぁぁ

あ!?」

 

 正人は目を見開きながらデカイ声を上げ立ち上がる。

 

 「バカ!声が大きい!」

 

 そう注意すると、周りの注目を集めているのに気付き、「すまん、信じられなくて本当にすまん。」と小声で謝りながら、席に座る。


 「俺はてっきり、喧嘩でもしたのかと…あんまり言いたくないことを言わせた。ゴメン。」

 

 確かにあまり言いたくないし、できれば思い出したくないけど、彼が僕を心配してくれているのが、純粋に嬉しかった。

 

 「ううん。正人が本当に心配してくれているのが分かったし、少し気が楽になった気がるするよ。ありがとう。」

 

 微笑みながらそういうと、 

 

 「誠四郎って聖人かなにかか?」

 

 「ちょ、やめろよ!恥ずかしい!」

 

 「すまんすまんw。でも、できた人間だよ。それは間違いない。俺も‘’毒父‘’も助けられたしな。今は想像できないくらい真面目だし、いい親父だけどなw。」

 

 そう。俺、桜井正人は、親友の奥田誠四郎にでっかい借りがあった。


 俺の親父が変わり始めたのは、俺が小5の時。誠四郎が引っ越してきた後。

 かつての親父はお世辞でもいい親と言い難かった。母をなくし、毎日のように酒を飲み怒鳴り散らす。繰り返される毎日に怯えながら過ごしていた。

 学校は唯一の逃げ道だったが、人付き合いが苦手だったため友人と呼べる人がいなかった。

 そんなある日、転機が訪れる。奥田誠四郎という少年が引っ越してきたのだ。彼は初日から嫌な顔一つせず善行を重ねていた。俺は遠目でみていたがつねに純粋な笑顔で返す彼にいつからか興味をもつようになった。

 意を決して声を掛けてみる。

 

 「あ、あの奥田君少しいい、かな?」

 

 たどたどしい声掛けに彼は耳を傾け

 

 「何?」

 

 と笑顔で返してくる。少し怖じ気付くも、

 

 「どうして、いつも人助けをしてるの?」

 

 そう質問すると、すごく真剣な表情で

 

 「いいお兄ちゃんでいるためだよ」

 

 この時、弟か妹でもいるのだろうかと納得したが、後に衝撃な事実を知ることとなる。

 

 俺は徐々に誠四郎とはなすようになっていき友人と呼べる存在になっていった。

 

 そして夏、一緒に遊んでいると誠四郎が唐突に聞いてきた。

 

 「ねぇ、正人。悩んでることない?」

 

 「え?」

 

 「正人、何か抱えてるでしょ?」

 

 ヒヤッとした。まるではじめから見透かされているような感覚だった。

 俺は誠四郎には隠し事ができないような気がしてポロっと親父のことを話しす。はなし終えると同時に誠四郎が「正人の家に行こう。」と言われ、俺は親父の怖さを伝え、必死に止めようとした。しかし誠四郎は頑として聞かず、強引に俺の家に入っていった。

 

 入った直後に待ち受けていたのは親父の罵声だった。

 

 「おい!お前今日どこ行っていた!俺の許可も取らず出てってんじゃねぇ!」

 

 俺は親父の罵声に体を震わせていた。親父の罵声を浴びた誠四郎は、今までみたこともないそしてこれからも見ないであろう顔をしていた。 

 

 そして誠四郎が信じられない言葉で怒鳴り声を上げる。

 


 【あんたは、自分の幸福と同時に家族の幸福も奪うのか!】 

 

 


 

あとがき

 

 こんにちは。または初めまして。@snikuです。

 今回は彼氏と親友の過去前半を書かせていただきました。皆さんはこの小説のタイトルである堕ちた彼女のヤンデレ化を期待しているのではないでしょうか?

 正直自分もはよ書きたいです。でもせっかくなのでと思い下準備をしたうえでよんでいただければなと思っております。内容はあまり面白いと思えないとおもえまずが気長に付き合ってくれると嬉しいです。

 誤字脱字や改善点がありましたらレビューに書き込んでください。

 最後にこの作品を読んでくださりありがとうございました。

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