轟木ほまれは応援したい~生徒会長があなたのお悩み、解決します~
橘 七都
第1話
「――私が生徒会長に立候補した理由?
そんなの一つに決まっています。
私がこの学校に在籍するすべての生徒、先生を応援したいからです!
ろくに授業も受けられないなかでも勉強をしいられ、友人たちとの関係にズレが生じてしまう、この甘酸っぱくほろ苦い人生の思春期に突入したからこそ、私は多くの人が前を向くべきだと思うのです。
長い人生で一度しかないかもしれない高校生活を有意義に過ごしてもらうために、私は生徒の先頭に立って学校と話し合い、より良い校風を作っていきます。
学年なんて関係ありません。
私はやると決めたら本気です。歴代の先輩がたに屈しません。
副会長ではダメなんです。一番説得力のある会長だからこそ意味があります。
皆さんにこの場でお約束します。
カリキュラムについては先生とご相談させていただいた上でより良い環境へ、部活動との文武両道を目指し、なにより皆さんの生活が充実するよう、より一層尽力いたします。
他にも学校生活に良い影響をもたらすのであれば、個人的なご相談も受け付けましょう。
しかし、これだけは覚えていてください。
あくまでも私は、応援する側であるということ。
精一杯の手助けはします。それからどうするかはあなた次第です。
すべて言えば思い通りに叶う環境なんてつまらないでしょう!
甘いことを言っている人がいるのなら、私が性根を叩き直します。誰だろうと受けて立ちます。
私は生徒会長として、あなたを応援します!」
多くの新入生を迎えた入学式にて、新入生代表として登壇したある女子生徒の発言がきっかけで、新年度早々に生徒会長再選挙が行われるという、異例の事態が起こった。
覆す事はないと思われていたが、元生徒会長の忠実な演説に対し、女子生徒の自由すぎる演説は、在校生が挑発に乗る形で投票され、他の候補者と圧倒的な差をつけて当選することになる。
立候補した現生徒会長は、昨年度の副会長が繰り上げられて当選していたが、総会直前で校則違反をして謹慎処分を受け、在校生からバッシングを受けたのち、謎の女子生徒が繰り出した突飛で自由な演説にかっさらわれてしまう結果になってしまったのだ。これには多くの批判の声が上がったものの、当選した一ヵ月後には驚くほどきれいさっぱり無くなった。
女子生徒は演説で公言した通り、たった一ヵ月で授業環境を整え、多くの部活動が全国大会へと進めるほど快挙を遂げたのだ。これには認めざる得ない状況になり、誰もが口を閉ざしていった。
学校側に成果を上げた彼女は、三年連続で生徒会長に見事選ばれることになる。
彼女の名前は「
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