第46話 もう一度 さよならを



そろそろ秋がやって来る


私の好きな季節


君が大好きだった夏の光とは正反対の季節だよね


そのまま時が私達を包んでくれていたなら

君の肌の温もりの中で長い冬を越せると思っていた


時の流れは人を癒すというが

あまりにも残酷に思い出を残すこともあるんだね

君はそう思わないかい?


夏の酷い太陽の光の下で

私が君の肩を抱いた浜辺で君は

暑いから手を退けてちょうだいと言ったね


いつも君に抱かれていた様な気がする私は

ほんのちょっぴり

君に甘えていた弱虫な時代だったんだね


秋の傾いた太陽に向かって

こんにちわ

今も変わらない自分へ

あの時の自分へ


たぶん

さよならは未だ若すぎて言えない

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