第16話 うるさいカップル(仮)ーVer.しゅんすけー

「…………えっと〇〇区△町、◇◇まで。」


おぉ!ふぶき隊員は任務を完璧に遂行した!!


そういや、俺△町に住んでたっけな。


「かしこまりました。」


ダンディなおじさん運転手さんが小さく礼をして、タクシーを発車させる。

うわぁ、かっこいい。俺も運転免許取ったらやってみてぇ。


「お願いします。」


ふぶきちゃんもそれを見て、座ったまま小さくお辞儀をする。

うわぁ、かっこいい。俺も運転免許取ったらやってみてぇ。


…………これは、取らなくてもできっか。


「ねぇねぇふぶきちゃんこれ持ってる?」


俺はふと思いついたことを実行しようと、彼女にそう尋ねた。

見せたのはさっき使ったSNSのアプリ。


「持ってますけど?」


ふぶきちゃんは自分のスマホを取り出して見せながら言う。


「じゃあ交換しようよ!」


己の中では最上級のキメ顔で俺は彼女を見た。

おまけに、ウィンクまでつけてね☆


「は、はい。」


…………分かったよ、俺が悪かったからそんな残念な人を見るような目で見ないでよ。


「何よ、別に嫌ならいいんですけどぉ?」


俺は少しいじけながらツンデレヒロイン風に、ふぶきちゃんを見つめて言う。


「わかりました。いやじゃ、いやじゃありませんから!」


手をブンブン振って否定し、SNSアプリの友だち追加を見せるふぶきちゃん。

やっばかわいい。は?そんな必死に否定するとか?なにそれかわいい。死ぬ。


「よっしゃぁ!連絡先ゲットだぜ!!!」


俺は自分のアプリにふぶきちゃんの名前が乗ったのを確認して、大声で叫んだ!

気分はポケ○ンマスター!相棒はピカチ○ウだぜ!!!!


「ちょ!声が大きいですってぇ!」


タクシーの運転手は後ろに二人を見て、内心『こいつらうるせぇな』と思ったとか思わなかったとか。

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