第10話 酔っぱらいの告白ーVer.ふぶきー
「……怒ってません。」
私は照れているのがばれないように必死にうつむきながらも、怒っている疑惑を否定する。
「ぐへへぇ!なら良かったぁ!!美少女に嫌われるとぉ………悲しんもんねぇ………うわぁぁぁぁぁ!!!!かのじょほすぃ!!!」
若干…………いやかなり気持ち悪い笑みを浮かべて私を「美少女」というしゅんすけさん。
「もうわかりましたからっ!落ち着きましょう?」
その笑みはかなり気持ち悪かったけど、そこまで素直に褒められるのはやっぱり恥ずかしくて、私は照れ隠しに彼へと水を差し出した。
「うぅぅ……ふぶきちゃんは?」
突然名前を呼ばれて、
「え?…はっはい。」
私は変な声を上げてしまう。
「ふぶきちゃんは付き合ってくれるのかって聞いてるの!!」
真剣に私の目を見つめて、そう告白?をするしゅんすけさん。
「ほええ!?」
私は思わず、びっくりしてまた変な声を出してしまった。
でもしょうがないくない?
私、男の人にちゃんと告白されるの初めてだもん。
…………まぁ、しゅんすけさんも酔っているけど。
「うっわかわい。やっぱふぶきちゃんいいねぇ。かわいーよ。どう?僕と付き合わない?僕ねぇ、頭悪いしぃ、顔も悪いしぃ、背も低いしぃ、短大生だけどねぇ…」
普通こういうシチュエーションでは自分の長所を述べるはずなのに、彼は短所を並べていく。
「…………はい。」
私は、そういうところ嫌いじゃないなと思いながら、言われなれない「かわいい」にいちいち反応する頬を隠して返事をした。
「誠実なんだよぉ?自分で言うのも何だけど、浮気だけはぜっっっっっっっっったいにしないよぉ!!ねぇふぶきちゃぁん!」
しゅんすけさんは特大の笑みで私の名前を呼ぶ。
「…な、なんです?」
彼の言葉に続く文字がなんとなくわかって、でもそんなの急すぎないかと変な妄想を考えながら私は、必死に普通を装って尋ねる。
「あのね。だぁいすき!!」
彼はやっぱり私の目をまっすぐ見つめてそう、満面の笑みで言うのだ。
私は恥ずかしさがこみ上げてきて、耐えられず、私は立ち上がった。
「もぅ!!なんなんですぅ!!」
彼の姿が見えなくなったのを確認し、私はそう叫んだ。
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