第7話『第16代征夷大将軍』
いつでもオ-プンできるようにチ―フと日野さんには伝えてある。それに日野さんにはマッキ―の指導もお願いしていた。マッキーはリ-ダ―候補で日野さんの後釜にするつもりだった。いつも明るく、素直で、リ―ダ-シップがあり、最近の若い子はすばらしいなあ「くそ、あと20歳若ければ……」と思わせる子だった。
「すいません。山口と申します。」
「はい。どうぞ。」「先生、お忙しところすいません」「いや、仕事ですから」
この世界の不明な点を少しでも知りたかった。というか元の世界に戻る手段が知りたかった。僕はどうでもよかった。半分死んでいるような人生だったから。でもあの子たちは是が非でもという思いがあった。助けを求めて弁護士にしようかとも考えたが高くつくので社労士にした。
「さっそくですが先生、今は江戸時代ですか?」「はい」「大政奉還はなされなかったのですか?」「はい」「龍馬はなにを?」「船中八策はご存じでしょう。本当はあと二策あったのです。海軍の増強に加え、空軍と陸軍の増強です」「飛行機を予想していたのですか?」「はい、かなり確信的に。そして龍馬は自己の利益より公共の利益を選んだ。そして第16代征夷大将軍になります。龍馬の思想は現在まで引き継がれ、軍国主義を執らずに4度の世界大戦に勝利しています。それでも植民地支配はしていません。まあ、賛否両論あるのですが……」「……それで刀を……」「そうです。しかしタケミツですから殺傷することはまあ無理です。」「では形だけでスマホを持ち歩いているみたいなものですか?」
「違います。」「え?」「男女終生侍形成機能と空間内外人口調整機能を持ちます。」
もういやだ。なんか帰りたくなってきた。
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