異都風夏機関ジグとザグ


 君は絵本を読みました。


 「ああ あるところに白猫と黒猫とがおりました」


 ある日は違っていた。

 君は漫画も好きでした。


 「ひょんなことから高校の部活に集った男女が色んな問題を解決してくおもしろコメディ」



 君はどこまで行くんだろう、上目指してく。時に悩んで迷って、魔円のスパイラルを描く。


 だけど、それなのに、今はあの動物園けん遊園地、アトラクションは全部一緒に取り壊されて観覧車だけが残ってます。


「ラックラック。

 車輪がぐいぐいとのぼってゆく音。」


 彼女は独特な擬音ぎおんを僕に言いました。


 ああ、思い出していつも涙が出そうになる。


 モチロンのこと、時は流れて、感覚再生。


 どっしどっし。


 思い出の中の君/彼女/り〒ゅkあqumん@せ♪ぬerrorは透明ガラスの標本となりそうです。


 皿とドラム混ぜたみたいな雨がポタリポタリとアリ来たり。


 上下する車輪の化け物が張り子の心臓揺らす。


 僕の座席、対面にはもう誰もいない。


 さあ、青い頂天から積乱雲せきらんうん、迫ってくるよ。

 

 代わりにぽつんと置かれたいぐるみ片手に、呪詛じゅそを吐いて語りかける。

 

 ライオンの綿抜け、綿抜け、引っこ抜け。ボタンの目玉が宙ぶらりん。



 君はあの日、夢といっしょに色んな本をてました。


 夏の都市のゴミ捨て場、うだる炎天下8月末まで限定の遊びの中へ。


 



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