第7話
「ほざけ!」
僕が動くよりも前に無名の国立国教騎士団団員が動く。
僕との距離を一気に詰め、剣を振り下ろす。
「え!?」
僕は剣を避け、大鎌を無名の国立国教騎士団団員の首に当てる。
「勝ち」
「は?」
僕が今無名の国立国教騎士団団員の首に当てている大鎌を少し手前に引くだけでいともたやすく無名の国立国教騎士団団員の首を切り落とせる。
これは僕の勝ちと言っていいだろう。
「っつ!」
だがしかし、
「遅いわ!」
無名の国立国教騎士団団員は僕のお腹を思いっきり蹴り飛ばそうとする。
不意打ちで驚きはしたが、さほど早くもないので普通に避ける。
「クソガキが!」
すぐさま持っていた剣で僕の大鎌を弾き、流れるように僕の胴体を狙って剣を振る。
無駄がなく、きれいな動き。
だが、いかんせん遅い。
この程度の速度じゃ僕には当たらない。
大鎌の柄で受け剣を弾き返し、一旦距離をとる。
「あれ、僕の勝ちじゃない?普通に」
「ハァ?何言ってやがる。スラムのガキの攻撃が俺に通るかよ!」
ふむ。どうしようか。
殺してしまうのは流石にまずいだろう。
それに殺す理由も特にないし、殺したくもない。
だが、あれ以上の攻撃でなにか無名の国立国教騎士団団員が負けを認めるような攻撃があるのだろうか?
……うーん。
普通の手段じゃ難しそう。
ちょっと荒っぽいけど強引に行くしかないか。
「少し死んでもらおうか」
一気に距離を詰め、大鎌を振るう。
まずは両足。
次は両手。
そして最後は、首。
血があたりを真っ赤に染め上げ、首が転がる。
「『生きろ』」
僕は『死魔法』を使用し、無名の国立国教騎士団団員が死んだという事実を殺ろす。
死んでから3秒以内であれば死んだ人を生き返らせることも可能なのだ。
「僕の勝ち、だよね?」
再度首に大鎌を当て告げる。
「ひっ!」
無名の国立国教騎士団団員は情けなく悲鳴を上げ、うずくまる。
「すまない!すまない!通してくれ!」
奥の方から学園長がやってくる。
また!?
仕事は!?
「君はもういい。戻っていいよ」
「あ、はい」
僕はおとなしくサーシャのもとに戻る。
「ほ、ほんとに……」
サーシャは引きつった笑みを浮かべていた。
「ほれ、お前!さっさと去れ!」
学園長は無名の国立国教騎士団団員を蹴り飛ばし、ここから追いやる。
「こっから先の試験は儂が受け持つ!さぁ、次はサーシャとやらだったな!早くするといい」
「え?えぇぇぇぇぇえええええええええ!」
学園長の自分が試験監督をやるという発言に周囲がざわめき、名指しされたサーニャは大声を出して驚く。
いや、だからお前仕事は?
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