第22話

 そのフィールド、境界線は無い


時は満ちた……その燕、飛び立つ、それが試合?の合図。


スッ!

予備動作無しのその"縦拳っ!"(パンチッ!)


ワンインチパンチ


男……"それを"紙一重で避ける!?

スパッ!……避けきれて無いしっ!、少し当たってるしっ!


男、少し後ろに跳躍(バックステップ)して相手との距離をとる。タンッタタン!♪


「ねぇジョン……今当たったわよね……」


…………

相手の女の子?にジョンと呼ばれたその男、わかっていないのか手のひらを上に向け、クイクイッと親指以外の4本の指を合わせる形で

"あの格闘家"のように"来いよ来いよ、かかって来いよ"ってな感じで挑発してる……


「いや…ジョン、少しでも私のが当たれば私の勝ちでしょ……終わりよ……諦めなさいよ」


もうその格好、ゴスロリでいいのかな?、わかるかな?、女の子の格好……

色合いは黒を基調とした、なんていうか…マリーアントワネットが幼少時期に着ていたようなドレス……みたいな、でもスカート部分は割りと短めで……

多分……"蹴り"くれてやる為に……かな


「結婚しよー、ディーガぁぁーー…」


「嫌だ……」


ロマンもへったくれも無い、あの全身黄色のパンツスーツ姿の男の子

ジョンはプロポーズ?……

バカだろ、この男……

誰だって断る、こんな朽ちた道場跡のようなボロボロの…なんていうか……本当ボロボロ、この場所。


それでも諦めずに


「ディーガぁぁ、僕と結婚して子供いっぱい創ろーー……」


と……

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