Ｚ「あれはホラーなのかな？　映画の「ミスト」。観てますよね？」

A「あれはホラーなんですかね？」

Ｚ「質問に質問で返されても」

A「融通のきかない宗教家のババアがエセカリスマになっちゃうところとか、勇敢さを示したキャラクターが謎の××に下半身を××××られちゃうところなんかホラーですよね」

Ｚ「ホラーの基準がわからないんですよ。映画でいえば、トビー・マグワイア主演の、というか、サム・ライミ監督のスパイダーマンシリーズはあれ、ホラーですよね？」

A「あの三作、好きですよね？　科学のもたらした恩恵をどう扱うかみたいなテーマ、一時期こってたみたいですけど、あれはサム・ライミのスパイダーマンシリーズの影響ですか？」

Ｚ「否定できないですね」

A「じゃあ、その系統で本格ミステリやったらいーんじゃないですか？　できなくても、キャラクター造形の参考にはなりますよね？　誰が好きですか？」

Ｚ「俳優として？　登場人物として？」

A「文脈を無視しないでくださいよ。当然、キャラっす。まぁ役者でもいいっすけど」

Ｚ「一番は二作目のドクター・オクトパスかなぁ。あの人、怪物化する前でも後でも説教するでしょ。あの人間臭さはなんだよ、と。しかも、言っていることはまともそのもの。あと一作目のグリーンゴブリン。グリーンゴブリン役って、難しいはずなんです。薬でヤバくなるんですけど、あの薬って、あくまで“増強剤”なんですよね。元々、ヤバい要素がなければゼロになにをかけても、たとえばゼロかける一億でも二兆でもゼロなんですよ」

A「鏡を使ったシーンは印象的です」

Ｚ「不勉強でアレですけど、あのやり方はすごくシェイクスピア的ですよ」

A「映画でも舞台でもなく、小説の話をしましょうか」