<短編4> 魔のAM3:00

AM 3:00 周囲の家が寝静まっている真夏の夜、薄ら明るいカーテン越しの灯かりが見える家から二人の声が聞こえる。


「ねぇ、健。私たち付き合う?」

「槙子……」


槙子は健の座る椅子の上に乗りかかって、恋心を告げる。

この二人はこれから、付き合おうかどうかという甘い時間ひとときを過ごす。


「槙子。それはオレもだよ」

「健……わたしたち最高の恋人になれるのかな?」

「きっとなれるよ!大丈夫さ!」


槙子のブラウスの前ボタンとブラは外され、ふくらみのある白い肌がはだけて見える。


「健……」

「槙子……」


二人は指を絡ませて、それぞれの唇を重ねようと顔を近づけていく。



(バタバタ ガラーーン)



槙子とひとつの椅子の上でちちくりあっていた所へ、ドアがガラリと開かれる。


「え? ×3」


その場に居合わせた三人が顔を見合わせて、ハモる。

そこには健の友人が階段を上がって来ていたのだ。


「……」


三人の空気が凍り付き、次の言葉がなかなか発せられなかった。

我に返った健と槙子は乱れた服を整え、健の友人に問い詰める。


「何故この時間に勝手に家に上がって来てるの?」

「え?3時に来い!と言われていたもので」

「3時は3時でも、夕方の15時の事だよ?」


「すみませんでしたーーーーーーー!」


ーーーーーーー

(その後) 健と槙子はあまりの気まずさから、付き合う事は無くなりましたとさ……

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