(二)-7

 翌日夜、私は仕事を退勤後、徹さんと合流し、旗の台の彼の家に行った。

 部屋に上がって、ベッドの前に座った。彼は冷蔵庫から缶ビールを二本取り出して、ベッドの前のローテーブルに置いた。

 プルタブを開けて、缶をぶつけ合って小さく「乾杯」とお互い呟き合った。

「ねえ、徹、この前、五反田にいた?」

「そりゃあね。会社の最寄り駅だし」

「そのとき、若い子と一緒に歩いていなかった?」

「若い子?」

「そう、若い子。腕を組んであるいてなかった?」


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る