(二)-4

 就職して一年目は、それぞれ仕事を覚えるのでいっぱいいっぱいだった。なるべく会えるように時間は作ったものの、実際に会うことができた機会はそう多くなかった。

 二年目に入り、ようやく仕事も覚え、プライベートのことを考える余裕ができた。だからそろそろ同棲しようって二人で話していた。今回の件はその矢先のことだった。


 新しくできた店「新割烹 和創食菜」で、私は彼とその女性のことを会社の同僚の新得しんとく華苗かなえと夕張瑞穂みずほに話した。本当なら新しいお店のおいしい料理に舌鼓を打つべきところだったけど。


(続く)

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