凶竜の姫様、猛然と攻撃を続ける
「があっ! ぐぅあああーっっ!!」
<青黒い髪と翡翠のような瞳を持つ褐色少女>
は、まったく疲れる様子もなく猛然と攻撃を続けた。しかし
<凶竜の姫様>の攻撃は、ある意味では<デタラメ>極まりない。ただただ自身の身体能力のすべてを衝動任せに繰り出しているに過ぎない。それでいて、一撃一撃が圧倒的な威力を秘めていた。一発でもまともに食らえば確実に死ぬ。そういう種類の攻撃だった。
『これ、アンデルセン爺ちゃん以上かもしれない。エレクシア様、メイフェア様、イレーネ様なら、圧倒するんだろうけど……!』
そんなことを考えてはいるものの、余裕があってそれができているわけでもない。身体能力を極限まで高めていても思考だけは別に行えるという、彼の<特技>というだけのことだ。
でも……
『でも、ここでやられちゃ、始祖の名の一部を受け継いだ者の一人として、エレクシア様に会わせる顔がないな……! そういえば一ヶ月後にはエレクシア様がお目覚めになるのか……! その場にいられないというのも、<
そう考えた瞬間、
相手の見た目が<少女>であろうと何であろうと関係ない。そうするしか止める術がないと思えば容赦はしない。
『それに、これくらいじゃ壊れもしないだろうしね』
そう考える
『壊れなくても、さすがに痛いか……』
とも思いつつ、
だが、少女は、尻を上にした状態で地面に頭が刺さっていた。ちょうど頭がすっぽりと入る程度の穴があったようだ。
しかも、その状態で動かない。
「う、うわわっ!! 大丈夫っ!?」
さすがにこれには
と言うか、普通の人間ならもう完全に死んでいるだろう。
そんな少女の腰を掴んで、
彼女の<すべて>が自身の眼前にある状態で。
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