錬義、降下する
そして、あろうことか、高度約二十メートルの位置で操縦席から飛び出したのだ。ほぼ六階建てのビルの屋上ほどの高さである。
けれど、
しかも少女も、自分目掛けて落ちてくる
「!!」
瞬間、
『きれいだ……』
そんなことを思う。思いつつ地面に迫り、脇に吊るしていた拳銃のようなものを、
拳銃弾と言うにはかなり大きな弾体が地面にぶつかったと同時に、すさまじい閃光と、
「バアアアンッッ!!」
破裂音が空気を叩いた。と、その異変に、
「ボアッッ!?」
彼は本質的には<研究者>なので、よほどの緊急事態でない限りは
しかも、約二十メートルの高さからパラシュートすらなしに飛び降りて、まるでネコのように四つん這いで地面に難なく降り立って見せた。それができるだけの身体能力を彼が持っているという何よりの証拠だった。
が、実は彼の<危機>はまさにここからだったのである。
「!?」
地面に四つん這いで着地した彼は、自身の尻に違和感を覚え、その感覚に従って、獣のように四つん這いの状態で地面を蹴って飛び退いた。直後、彼の尻があった位置を恐ろしい速度で奔り抜けるものが。
「手荒い歓迎だな!!」
彼には、それが何なのかすでに察知できていたようだ。間合いを取って向き直って<それ>を見た
<青黒い髪の全裸の褐色少女>
が、右足を蹴り上げた状態で、彼を恐ろしい形相で睨み付けていたのだった。
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