第3話 高校一年、部活動、演劇部。①

クラスメイトと3人で入部した部活動。

練習場所がちょっとなんか3階なのにジトッとしている様な、ムシムシしている様な。

先輩たちに聞くと「よく出る」とのこと。

「女の人と子供」……って私と別のクラスの子(A子ちゃん)が言いました。

「なんだ、知ってるんじゃん」

先輩たちに簡単に笑われたのだが私は何となくで答えてもう一人の子は視えるとの事。

……そして凄く私を見ると目を逸らすんだよね。

この頃の私は足首も何かに掴まれているように痛かったし、中3でこっくりさんにハマっていた事もあり多分色々憑いてたんだと思う。

だって肩凝りや頭痛に不自然に片方の肩だけ下がっていたのだ。


そんなこんなで痛みを無視して部活に通い続けた夏休みのある日、3年生が居ないからか発声練習とスクワットや腹筋等の体力作りをメインに早めに終わるということになりました。


帰りの支度をしながら珍しくA子ちゃんが話しかけてきました。


「そろそろ怪我に繋がりそうだから気を付けてね」

「……もしかして足首のってそっち?イメージとしては女の人の腕みたいな……」

「うん、女の人。最初は手首だけだったんだけど、日に日に腕が伸びてきてて頭の先から髪の毛ってなっていってて最近頭出てき終わりそう」

「そら、足が重いわけだ」

「何処でそんなの憑けてきたのか分からないけど、守護霊が強いみたいだから大きな怪我にはならないと思う、でも気を付けてね。」

「中学でこっくりさん流行ってねぇ、多分貰ったのかもね」

「それはあるかもね」


帰り道、私は駅に向かって自転車を漕いでいた。

一人で。

バイトの時間まであまりなく電車を乗り過ごしたら確実に遅刻になるからだ。

学校を出て5分もしないうちに信号待ちの車の列がある細道との十字路付近の所を自転車で駆け抜けようとしていた時だった。

信号待ちの車の脇から白い軽自動車がすっ飛ばして出てきた。



→軽自動車の進行方向

↑私の自転車の進行方向



見事に後部座席へ自転車が突っ込み後輪が浮き私は思わずペダルから足を離し自転車の横へと体をずらし悲惨な事故を回避したがアスファルトに投げ出され足や手を擦りむく程度の怪我をしたがどうにかヨロヨロと立ち上がる。


自転車は前輪が大きく曲がり自走出来なくなっていた。

衝撃に白い軽自動車が一時停止したが、私が自転車の隣に立っているのをミラーか何かで確認した運転手は降りることなく再び車を走らせ去っていった。


もちろん、「大丈夫?!」等の声掛けも皆無である。


暫く車が去った方を見ていたが仕方なく歩き出す。

駅より学校のほうが近かった為にトボトボと自転車を押せないので持ち上げて歩き、バイト先に事故の連絡をして休みにしてもらい親に電話する。


そして親にしこたま怒られた。

車が一時停止せずに交差点に侵入して細道ヘ入ってきた際に歩道を走っていた私と衝突したのだ。解せぬ。


事故った相手放置して走り去るとかひき逃げじゃない?

救護義務違反だからね?


制服破けなくてマジで良かったと思ったよ。

スカート駄目にしてたらもっと怒られただろうから。



後日、部活の日にA子ちゃんに自転車事故の話をすると

「また手首だけに戻ってるから離れるまで定期的に事故るかもしれないから気を付けてね」

と言われ、忘れた頃に自転車で事故りそうになったり自転車で滑って転んで肋骨にヒビ入れたりと定期的に続きました。

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