心霊?霊感?実体験談

遊真野 蜜柑(ゆまの みかん)

第1話 小学校五年生以下での出来事。

私は小学五年生の時に引っ越しをしている。

そうは言っても同じ学区で強いて言えば田舎町の山の上から麓へ降りたと言ったようなものだろう。

このお話は引っ越す前に起こった出来事だ。

何故なら「秘密基地」を作っていたのが引っ越す前だったからだ。





私は幼馴染数人や1つ上の兄の友人、更にはその友人のお兄さん(私の3歳上)達と一緒に兄の友人の家の裏の空き地(現在は建物が立ってます)の側面の崖に秘密基地と称して洞窟を掘って遊んでいた。

その崖(土壁)には正面の空き地から雑木をつたいながら滑り降りるか数百メートル先にある砂利道を使い回り道をしてくると行けるようになっており学校帰り、時間も気にせず本当に暗くなるまで遊んだり崖を木などで傷付けて土壁を掘ったりしていた。

砂利道と称していたが私達が遊んでいた場所はすぐに行き止まりになり雑木林が拡がっていたがその雑木林も数十メートルしない内に崖となっており下には沢山の住宅が建ち並んでいた。

雑木林は北と西にあり東には砂利道、南側に秘密基地というような立地だ。



砂遊び用のシャベルなどを使い地道に毎日飽きずに穴を掘り進め入り口は立ったまま入れるくらい奥行きは3メートル程掘り、座れるように段差をつけたりして毎日楽しく遊んでいた。


ある日、遊んでいた私達がガサガサというような音を聞き振り返ると腰の曲がった頭に手拭いを巻いたお婆さんが背中に籠を背負って出てきた。

雑木林だから山菜が取れるんだろう位にしか安易に考えずこれは全員が見て挨拶して挨拶が帰ってきたので生きてる人だと、でもビックリしたねと皆でワイワイ話しながらまた遊んでいた。



その数日後、皆でまた遊んでいる時にふと振り返ると雑木林の奥の方に白いワンピースを着たストレートの黒髪の女性の後ろ姿を見た。

木々の間を平然とスタスタと歩いているようなすぅーっと移動しているような。

ただ向かっている先が崖下の住宅街だったから思わず声をかけていた。


「そっちは崖だから危ないよー?」


私の声に皆びっくりして「何?」「どうしたの?」と言ってきたので皆を見ながら私は言った。


「白いワンピース着たお姉さんがあっちに行ったの、コンクリート伝いに降りるのかな?」


実際にコンクリートを伝って登った事のあるヤンチャな私はそう本気で思ったのだ。


「「「誰もいないよ???」」」


「そもそもお姉さんってどんな?」

「え、わかんない。でもお姉さんだったよ。黒髪で白いワンピース来てて色白であっちの端の方歩いてたよ?降りたのかな?」

年上の男の子達が言う

「ワンピースで林ん中歩かない」

「そもそも斜めじゃなくて真っ直ぐの崖だから降りるとか危ないよ」


私はここで泣き出してしまった


「でも見たもん!!お姉さん居たもん!!」




私はお姉さんが歩いていた方向を考えたが私が見たのは南から北(住宅街)に向かうようにでは無く東から西の方に向かっていた様に見えた。

歩いていたと言っても足が動いている様子は全くなかった。


でも私は本当に見たのだ。

ワンピースを着たお姉さんを。

でも誰も信じてくれなかった。



私は生きている人を見たのだとしたらお姉さんは何処に消えたのか。

それとも……幽霊だったのか?



今でも謎のままです。

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