第83話 打ち合わせ

【名前】  ヌルヴィス

【種族】  人族

【年齢】  15

【職業】  不遇魔法剣士

【レベル】 23 (5UP)


【生命力】 237/380  (75UP)

【闘力】  51/380  (75UP)

【魔力】  51/380  (75UP)


【物攻】  189  (40UP)

【魔攻】  189  (40UP)

【防御】  105  (25UP)

【敏捷】  166  (35UP)

【精神】  166  (35UP)


【物理スキル】

・大鎌術Lv.5・身体強化Lv.4・大刀術Lv.3

・無属性魔法Lv.3・体術Lv.3

・闘力操作Lv.1(New)


【魔法スキル】

・闇魔法Lv.5・雷魔法Lv.4・氷魔法Lv.4

・身体属性強化Lv.3・付与魔法Lv.2(1UP)

・魔力操作Lv.2(1UP)


【他スキル】

・隠蔽Lv.6(1UP)・解体Lv.1





「「「「「え!?」」」」」


「あ、凄い上がってるな」


5人は俺のステータスを見て、ぽかんと口を開けて固まっている。

だが、俺はそんなことよりもレベルがかなり上がっていることに注目していた。赤ベアを殺しただけでレベルが3つも上がっている。彩化した魔物を殺したからなのか、それともただ強い魔物を殺したからかは分からないが、これはかなり嬉しい。

また、付与魔法と魔力操作とついでに隠蔽のスキルレベルも上がっている。特に前半2つは最近多用しているから上がってくれてよかった。さらに、闘力操作なるものも取得している。効果は単純に魔力操作の闘力バージョンだろう。これは最後の斬撃に闘力を全て使ったりと時々込める闘力を操作していたから取得できたのか?


「スキルレベルはどれも高過ぎだし、そもそもステータスの数値が多いし…」


1番先に冷静になって話したのはリリラだった。その冷静さを赤ベアの前で保てていたら赤ベアに魔法を放つことができていただろうな。ただ、火魔法は絶対に赤ベアには効かないか。いや、圧倒的高火力ならいけるのかもしれないが、そんな火力はリリラには無理だな。俺の闇魔法が火魔法だったとしても無理そうだ。


「魔族…でもない」


「親も人族だし、俺は魔族ではなく、純粋な人族だ」


やっぱり少し博識な者は魔族が物理と魔法の両方の攻撃手段を持っているというのを聞いたことがあるんだな。ただ、ナユの言ったことハズレで、俺は隠蔽しているわけでもなく、普通に人族だ。


「ステータスを授かった時から物理職と魔法職のステータスを併せ持っていた」


「世間で噂になっていないのが不思議ですね…。このステータスを神官が見たら騒ぎそうですが…」


ルフエットの疑問は当然だ。このステータスを見たら誰もが騒ぎ立てたくなると思う。しかし、俺は運良く隠蔽により、神官にステータスがバレずに済んでいる。

それを説明すると、まさに俺の為のスキルというほど役立った隠蔽というスキルの凄さに感心していた。


「それだとしても私達と同い年でこのステータスは凄いわね…。私は槍術が最近レベル2からレベル3に上がったばかりなのに」


「ああ、俺の大鎌術と闇魔法と隠蔽は最初からレベル4だったぞ」


「「「「「なっ!?!」」」」」


5人の口が再び開く。ただ、ステータスを見た時ほどの驚きはなかったのかすぐに正気に戻る。


「まさか奇才を越えるスキルがあるなんて…奇才のスキルを持って浮かれてたのを反省する」


「いや、普通は奇才が最高レベルだし、凄いんだけどな」


ナユは奇才のスキルが1つあったらしい。道理でナユだけは他の4人より少し強かったわけだ。


「でも、レベル4のスキルはなんて呼ぶの?」


「…さあ?」


ステータスを授かった時のスキルレベルが3の時は奇才、2の時は天才、1の時は俊才、新たに取得した時は秀才という。もちろん、前例がないとされているレベル4のスキルには名前がついていない。


「今度教会で調べてみますね」


「ありがとう。ただ、別に分からなくてもいいからな」


ルフエットは回復魔法使いというだけで、別に神官ではないが、回復魔法使いというだけで教会にはそれなりに優遇されるようだ。それは神官として教会に仕えるのを誘うためだとか。



「カラゼス?」


話が終わり近付いた時、そういえばカラゼスが一言も話していないことに気がついた。いつもうるさいカラゼスがこんな静かなのはおかしい。俺は名前を呼びながらカラゼスの方を向くと、ギョッとした。


「なんで泣いてんだ?」


カラゼスは無言でボロボロと勢いよく涙を落としていたのだ。


「兄貴は特別だと思ってはいたが、ここまで特別だとは思いませんでした。これからも一生ついて行きます!」


「ああ…頑張れ…」


「はいっ!」


グイッと顔を近づけてそう言い張るカラゼスを少し気味悪く思いながらも、頑張るつもりならいいかと応援する。


「ここまで話したらわかると思うが、俺が秘密にしたいのはこのステータスの魔法職部分全てだ。俺を物理職の不遇剣士の大鎌使いってことにしてくれ。赤ベアの腹の魔法による傷に関しても秘密ってことにするつもりだ。どうしても言わなきゃいけない場合は俺のとっておきの使い捨ての槍状の魔導具でぶっ刺したことにしてくれ」


俺が真剣に言うと、全員が頷くなり、返事をしてリでそれに了承する。彼等なら故意にバラしたりはしないだろう。それにもしされても人を見る目がなかったと諦める。だが、拷問などで無理やり口を開かさられた時は相手は絶対にそれ相応の目にあってもらう。

また、赤ベアは売らないことも考えたのだが、さすがにかなりの値になりそうなので売りたい。


「帰るぞ」


「「「「「はい!」」」」」


話と打ち合わせも終わったので、俺達は疲労により重くなった足を動かしながら街へと向かった。

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