城下町の私とあなた

さくら ゆい

プロローグ

今日はやけに暑くて、蝉時雨が響いている。

その中を私達は歩いている。


「柚姫、今日は殊に暑いわね。 甘い物でも食べたいくらいだわ」


「そうだねえ。 変わんないね、海は」


昔から話し方の変わらない海に私はそう言う。

私と海は幼稚園からずっと一緒に仲良くして来た。

幼稚園から高校まで同じだ。

喧嘩して不仲になったことなど思い返せば一度もない。

私達はそれくらい仲が良い。


「ふるさと広場に着いたらソフトクリームでも食べたいわ」


「食べよっか」


私達はこれから佐倉ふるさと広場に行く。

綺麗な向日葵を見に行く為に。


「着いたわよ」


「着いたね」


佐倉ふるさと広場に着いた私達は、中に入って向日葵の所へ行く。

綺麗に咲き誇っている向日葵を見て海は感動していた。

その向日葵を海は写真で撮っていた。


「綺麗だわ。 今年も見れて幸せよ」


「嬉しそうだね。 嬉しそうな顔をしている海が好きだわ」


「あら。 そんなこと思ってくれていて嬉しいわ」


海は笑顔でそう言った。

海の笑顔はこんな今日に似合っている。

いつも思うが私は海の笑顔が本当に好きだ。

だって嬉しそうだから。


「ソフトクリーム食べたいわあ」


「食べよっか」


そして売店に行って私達はソフトクリームを買って食べた。

海と食べるソフトクリームはとても美味しくて、一人で食べるより美味しい。

幸せだ。


「美味しいわ」


「だねえ」


ソフトクリームを食べ終わった後、私達は佐倉ふるさと広場を出た。


「楽しかったわね」


「海といると楽しいや」


「嬉しい」


こうして私たちは家に帰った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る