星に願いを
みいは
第1話 とある親子の様子
「ママ!ママはたんざくになにをかくの?」
幼稚園児ほどの小さな子供が母親と一緒にニコニコしながらやってきた。
「そうねぇ。結実ちゃんは何をお願いするの?」
微笑みながら聞き返す様に、愛情が溢れているのが見てとれる。
「あのね!パンやさんになりたいっておねがいするの!」
小さな拳を握りながら力強く語っている。きっと今叶えたい大事な夢なのだろう。
「そっかぁ。じゃあママもお願いしようかな。」
「なんてかくの?!」
朗らかな様子の母親にすかさず質問する子供の様子がとても可愛らしい。
「んー?結実ちゃんの願いが叶いますようにって。」
優しい母親の様子にこちらまで優しい心になる。しかし、その言葉を聞いてダメだと子供が怒りだした。
「ダメダメ!ぜえったいにダメなの!」
何故だ?何が気に入らないのだろう。見ていてハラハラする。
「おねがいは1コだけなの!それかいたらママのおねがい かなわなくなっちゃうんだよ?だからダメなの!」
必死に話す子供を見て母親は怒られているのに幸せそうだ。
「それなら、『結実ちゃんのパン屋さんでいっぱい美味しいパンを食べる』ってお願いしようかな。」
それを聞いてさっきまで勢いよく駄々をこねていたのが嘘のように、子供も嬉しそうに笑っている。
「それならゆみも『ママがだいすきなクロワッサンをいっぱいつくる』ってかく!」
丁寧にゆっくりと短冊に字を書く子供を見守りながら、その親子は仲良く作業をし、手を繋いで帰っていった。
楽しそうに話しながら帰路につく親子を見て、幸せそうな様子に心がほっこりする。この先、大きくなってもこの親子が幸せでいられますように。
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