これは夢オチの夢を見るオチなのか


夢オチだと気づいた俺は困惑していた。

確かに途中で覚醒しかけたかも知れない、急に結衣からお兄様と声をかけられたり、リビングの地面が無駄に柔らかかったりしたし........


まぁそんなことより、

夢オチは夢オチなんだけど、なぜ結衣が横にいる?さっきまで見ていた夢が印象に残りすぎてあたかも2回目の今日が来てるみたいだ


そんなことより、よく見れば結衣は正座をしている。

腰を真っすぐに行儀が良い。

こんなにキッチリした結衣を見るのは初めてだ。


きっとまた夢だろうと思って再度寝ることにした


「あら、起きましたのに」

絶対夢だまたは2回目の朝。

だってさっきそれ聞いたもん



「おに...さ」

むー眠たい、眠たい眠たい、

「おにい......さm」

ちょっ揺らさないで.....目が覚めるやつね

あー起きてしまったやつね、これ寝ようとしても寝られないやつね


とか思ってたけど寝てしまっていた俺......


「お兄様、お兄様もう10時ですよ起きてください」


「おはよ、結衣」


「はい!おはようございますお兄様!」


「ん?ゆい?いつからそこにいたんだ?」


一回起きた記憶はあるが、あれは夢だからな.......

....よく見れば夢と同じ位置に座ってるしお兄様呼びだし。


「お兄様?どうされたのでしょうか.......私、お兄様の睡眠を邪魔してしまったのでしょうか?邪魔したのなら言ってくださいね!結衣が全力で償いますのでっ」


なんか邪魔したって言って欲しそうな顔をしながら嬉しそうに言ってるなぁ....しかもなぜか「はぁ..はぁ...」と息遣いが少し荒い


「おい結衣どうしたんだ?昨日と何もかもが違うぞ」


「お兄様.......これはこれは、恥ずかしいですけどお兄様の命令は絶対服従ですから話しますね、始まりは1年前のことですお兄様が受験勉強に熱心になりはじめた頃でしょうか、お兄様はいつも頑張っていてかっこよかったです今でもあの姿を想像するととても興奮します」


「はぁ.....まぁありがと?」

続けて結衣は口を開く


「それから、お兄様に甘えようと思いましたが、受験勉強に熱心なお兄様に邪魔をしては嫌われると

と思ってずっとずっと夜は甘えるのをやめていました、

ですが1ヶ月、2ヶ月と月が経つほどお兄様のことしか考えれなくなって、体が兄様を欲すようになりました、ですがお兄様の邪魔をしては嫌われると、ずっとずっと我慢していたんです。だから受験が終わったらいっぱい甘えようと思っていたんですが、私が耐えきれなくなっていつかお兄様に思ってもらえるようにとお兄様のためだけに自分磨きをしているといつのまにかこんなふうになっていました」


「長い説明ありがとう結衣、その....よくわからないことが沢山あるんだけどなんとなくわかったよ」


「はい!結衣もわかってもらってよかったです」

ニコッとした顔で言ってくる...やっぱり可愛いな

けど俺なんにも分からなかったよ。

自分でも気づいていたが、受験勉強に向かっている時結衣は何もしてこなかったもちろん迷惑なという意味ではない

まぁ結衣はそう言う性格じゃないし結衣は俺の受験をただひたすらに応援してくれた

「お兄ちゃん頑張って!結衣応援してる!」

俺が受験の日も玄関で元気に見送ってくれた。


受かった時は結衣も自分のことのように喜んでくれた

「お兄ちゃんおめでとう!うへへ、嬉しいぃ」と言ってくれた

けど結衣は俺に甘えられなくて我慢してた......か。

俺も結衣のことを甘えさせたいけど思春期のせいかそんな自分にもひいてしまう。

寂しい気持ちをさせてしまった結果こうなったのか

ごめんな結衣

けど、この状況に同情はできないごめん。



「ごめんな、結衣寂しかったんだな」

そう言って少し俯いた結衣の頭を撫でる

すると蕩けたようなニヤけた顔で「おにいちゃ、おにいさまぁぁ」

これはお兄様呼びを治せるなと半分思ってしまう自分と

ニヤけすぎだろとまぁ、可愛いけどと思った自分も半分いた。












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