三千のサムネイルから遠花火 #XR創作大賞

千住

本文

この世ではない場所へ行け春朧それは重くて小さな扉

ローポリの初蝶はつちょう .objおぼつかないけれども軽い足

沈丁花じんちょうげわからなくてもわかるもの君じゃなくても君であるもの

君だって知らないふりで聞く悩み若紫わかむらさきの髪にPointLight

踊る君春より春の暮れの春好かれるための銭は風炎ふうえん

暗がりの個室カラオケ届かない君を歌えば咲くフリージア

基底場の君とARの君と並べてチェキにする花の雨

手を振って笑む青薔薇よ現し世じゃ私の名すら知らない癖に

ひょうの夢君が私を抱きしめたままで静かにアバターを解く

やまゆりを大輪のまま見送ってあるはずのない残り香につゆ

三千のサムネイルから遠花火とおはなび君はどこ君はだれの手を取る

迷い出たかりがね寒き裏道で君が君の体が売っていた

試着いま稲妻ごとく胸を裂く背徳指がボタンを滑る

君と同じ体のToon Shaderよクズの髪ならうらみの真白

裏舞台歌えや歌え台風として君すらも薙ぎ払うべく

十六夜の影に兎の収益化かがやく箱で君を侵すよ

思い病む君を宇宙に連れ泳ぐ黒い歓喜は星の入東風いりごち

聖なる夜友達としてペンダント ダイヤモンドとしてスパイウェア


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