大好き同士の片想い〜付き合いだしたら思ってたのと違う(いい意味で)〜
麝香いちご
プロローグ
「僕さ、
———12月25日クリスマス某所。多くの人が行き交うツリーの前。凍えるほどの寒さの中2人だけは暖かくなっていた。
✳︎✳︎✳︎
高校に入学して8ヶ月ほど経った
その証拠として彼の元には多くのスカウトが来ていた。
「なつ今日部活あんの?」
夏樹に肩を組んで話しかけるいかにも陽の者という見た目をした少年———
「いや、今日はないよ。確か海斗もオフだよね?」
「おう! てかさぁサッカー部のオフと野球部のオフはよくかぶるのにハンド部が全然だからだるいよなぁ。」
そう・・・・・・。勘のいい人はわかるかもしれないが夏樹と海斗は登下校を共にしており他にもハンドボール部のマネである
「あ、そうだなつ。お前氷緒と一緒に先に帰れよ!」
「それは……。」
名案だとばかりに顔を輝かせ夏樹に助言をする海斗。それに対し夏樹はできるものならしたいが……といった表情を見せる。
「なんだよ〜。あれは絶対に脈アリだって! てことで氷緒に電話しま〜す!」
「あっ! ちょっと!」
そんな夏樹の声はコール音によって消されてしまう。
『もしもし? どうしたの?』
「お、氷緒、愛しの夏樹がなんか言いたいらしいからさ!」
「『愛しじゃない!』」
ピッタリと揃えて声を出す2人に海斗は苦笑する。
「ははは……仲良いなお前ら」
『もぉ……。で、どうしたの?』
「あ、その……今日さ、僕部活オフだから先に帰ろって思って、それで氷緒さんも一緒に……」
『帰る!』
「え、あ、うん。じゃあいつものとこで」
夏樹は食いぎみの返事に戸惑いながらもなんとか約束できたことと、引かれなかったことに安堵した。
ニヤニヤしている海斗に見送られ夏樹は教室を後にした。
「お疲れ様夏樹。寒いね」
艶のある長い黒髪を靡かせ待ち合わせ場所にやってきた氷緒。身長は152センチ、綺麗な二重の大きな目、透き通るように白い肌。100人に聞けば100人が美少女だと認める容姿の少女。
「お疲れ氷緒さん。そうだねもうすぐクリスマスだしね。」
「もぉ。さんはいらないっていってるのに……。」
「ごめん……。でも、ちょっと癖でさ、頑張って治すから。」
可愛らしくほおを膨らませて抗議する氷緒。困り顔の夏樹。傍から見ればもはやカップルだ。
「じゃあ帰ろっか。」
「うんっ!」
これは両片思いの2人の恋の物語。
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