最初に抱くなら処女がいい

上下上下

第1話 美少女17歳に処女なんて居るわけない。

俺はずっと心に決めていた。

初めて性に目覚めた時から、最初に抱くなら処女がいいと。


四限目終わり昼休みのチャイムが寝ている耳には遠く聞こえる。トントンと俺の肩を誰かが叩く、右肩に触れた指先は細く、柔らかい印象の感触が伝わる、机にうつ伏せになっていた俺は、ぼやけた薄目で顔を上げる。

顔を上げた先には、薄目でもわかる白く透き通った肌、俺に目線を合わせてくれようと屈んで、その綺麗な黒髪が顔の近くに寄ってきていた。

髪が屈んだ影響で少し揺れ、甘酸っぱい柚子のような優しい匂いが俺の鼻を包み込む。俺と目が合うと彼女は優しい微笑みで返してくれる。まるで、映画のワンシーンのようだ。

死ぬほど可愛いなぁ。そうとしか言いようがない。


でもきっと彼女は処女では無い。


「おはよ。涼川君、授業聞いてなかったでしょ?ノート私の写していいよ。」

彼女は、まるで子供に接するように俺に話しかけてくる。 

「ああ、すまん、助かる。委員長。」

処女じゃないんだもんなぁ…

「ううん、全然、涼川君の為だから。いつでもなんでも頼ってね!」

そう言って委員長は、クラス内の友人のところに行きお弁当を持って教室を出て行く。その足取りは少しはずんでいるように見えた。

機嫌でも良いのかな?もしかして俺と喋ったから?

んなわけ無いし。そんな妄想も今の俺には恥ずかしくて出来ない。でももし俺に気があるなら!?

でも、処女じゃないんだもんなぁ…。

その事実だけで俺はまた現実に引き戻される。

思考の自由なんて、許可されていても現実がある限り楽しくなんて無い。

最近の楽しみといえば、推しの声優との結婚生活を夜寝る前に考えて気づいたら口元が死ぬほど上がってて、その事にまた一人で笑う事くらいだ。

思考の自由めっちゃ楽しんでるやんけ。

俺が委員長と呼ぶ彼女は白石柚葉、2年3組の学級委員長で、生徒会の書記もやっている。

俺の前の席になってから、授業をサボりがちな俺の面倒を見てくれている。とゆうか、面倒みてほしいから授業サボって聞いてない。

白石の成績は学年トップクラス、ってこともある。授業聞かなくても白石のノート見れば全然ok。その上顔もスタイルもいいときた、こんな完璧美少女に優しくされると言うのに、真面目に授業聞くわけがなくなる。

まぁ俺にだけ優しいという訳じゃない、こうゆう人種は誰にでも優しいし、委員長という役柄が無ければ、俺にこんな事をしてくれるはずもない。

だとしてもこんなの好きにならない訳がない。

でも、白石は処女な訳がないんだよなぁ。。だから俺のうちに秘めたこの想いは白石に伝える事は一生無いだろう。

俺はそこそこ見た目には自信がある、だからいつでも脱童貞できるとたかを括っていた。

周りの友達が中学で卒業していてもおれはもっと上のレベルの女じゃないと満足できないとか言ったり、高校偏差値良いところ行ってトンデモ美少女捕まえて卒業するとかも言ったりした。

なので、当時付き合ってた女の子はいたがその子とそこまでは、いかなかった。当時付き合ってた子には申し訳ないが…。

しかし、その内童貞じゃなく中学生卒業、見事偏差値60前後の進学校宮古西高校に受かったが、品定めしているうちにそろそろ高校卒業まで迫って来ていた。

いや違う品定めとかかっこつけたが、普通にこの高校は偏差値だけじゃなくて男女の顔面偏差値も高すぎんだよね。

そこそこしかイケてない俺の顔じゃまずむりでしたよね。

見渡せば俺より勉強、運動できるイケメン、それと付き合ってる美少女。

こんなケースが入学して2ヶ月後には沢山になっていた。

つまり出遅れたし、一番乗りでも全て空回りするだろうし、色んな美少女に告っても断られて初っ端浮いたやつになってた事確定。

俺にはどうしようも無かった。

そんな劣等感と焦燥の中1年間を過ごし、2年に進級し、クラスも変わり心機一転、一念発起、当たって砕けろの精神で初めて知り合う美少女と付き合おうと思っていたが、俺は気づいてしまった。

美少女17歳に処女なんて居るわけない、と

まず去年の2ヶ月目で気づくべきだったのだ、あんなにも美男美女カップルができ、しかもそのほとんどが、半年後には別れていたと聞く、そしてまた他の相手と付き合ったことに違いない。

つまりこの学校にいる美少女全員きずものなわけだと。

白石も多分そう、あんなに清楚に見えるのに、去年2年生だった学校1のイケメン野球部の影山先輩と付き合ってたらしいし、完全にやってることやってる。

野球部なんて大体のやつが部室で彼女とsexをプレイボールし、彼氏のバットを彼女のアソコグローブで受け止める事に一喜一憂し、他の人に見つかるのでは無いかと言うハラハラを楽しみながら、しっかり9回裏まで初体験に勤しんだ事だろう。クソが。

アソコグローブって語呂良いな。

だからつまり、あんなに清楚で穢れのない白石も、野球部の3年の硬いバットをアソコグローブでキャッチしてしまっているのだ。

まあそんな事実に気づいてしまった俺は、余計に嫉妬を交えて拗らせ、より一層初体験の相手は処女しかないと心に固く誓った。

そして、白石柚葉への気持ちを諦めていた。のは、数日前までの話。

実は影山先輩がゲイだった事が発覚した。うん。

うん…。

公にはバレては居ないが、一昨日見てしまった。放課後スマホを机に置き忘れて取りに戻った時。日が暮れる中、化学室で非常勤講師の下北とキスしている所を。

色々衝撃的だった。下北53歳だから余計衝撃だし、禿げてるし太ってるし、影山先輩ガチイケメンだから衝撃だし、舌入れてたし、下北はフラスコ持ちながら、影山先輩は駒込ピペット持ちながらキスしてたし、常人には理解できないプレイを見て俺ゲロ吐きそうになったし。

しかしここで俺は気づいてしまった。

影山先輩が白石と付き合ってたのは、あくまで、周りから体裁を守る為、その道具でしか白石は無かったのだ。

だからきっと2人は長続きしなかったのだろう。

それに影山先輩がゲイだったと言う事は白石は何もされていない可能性が高い。

この事実と予想が俺を蘇らせた。

正直俺より、影山先輩が主人公の方の物語が気になるが、これはそんな俺が、17歳美少女の処女を主に白石を抱くことを諦めないそんな話。

あーあ、処女とHしたい。

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