第十二話「順介の今」

おばさんは走って、順介おじさんの住む家に走っていった。そして、順介おじさんの家に到着した。

「本当にあの方が……」

そう、半信半疑な状況で戸を叩いた。

すると、おばさんの前に順介おじさんが顔を出した。

「……あれ……もしかして……幸……さん?」

おばさんは涙がこぼれ落ちた

「順介さん、順介さんなのね!」

おばさんはそういって、順介おじさんに抱きついた。

「私……ずっと貴方に会いたかったの……」

そう、言うと

「俺の方もなかなか帰れずにすまん。寂しい思いをさせてしまったな……俺も、早めに顔を出せば良かったのだが、勇気が出なくて……」

と、順介おじさんは恥ずかしそうに言った。おばさんはそんなおじさんに対して笑った。まるで、若きあの頃に時間が戻ったようだった。

おばさんたちは懐かしの海の元へ向かった。

「懐かしいわね……」

「そうだな……」

「順介さんが練習を一生懸命してたものね……」

「そんなこともあったなぁ……」

そんな、思出話に浸って暫くした後、おばさんはずっと気になってることを聞いた。

「排球はどう?全国には行けた?」

すると、おじさんは顔を暗くした。そして、おじさんは

「思い出したくない。」

そう言った。おばさんは、その様子を見て申し訳なさそうにした。しかし、おばさんはどうしても、気になった。そこでおばさんは言った。

「お願いします。教えてください。」

と。おじさんはそんな、真面目な対応をしたおばさんをみて、少し考えた後、おじさんは口を開いた。

「排球はもうやめた。」

そう言ったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る