冴えない陰キャぼっちな俺が教室の片隅で突っ伏寝(寝たフリ)に励んでいると、同じクラスの清楚系巨乳ギャルが俺のお耳をペロリンチョしようとして来た。──起きる? 起きない? もちろん起きない!
おひるね
プロローグ
パンッ! パンッ! パンッ!
夏休みに入ってすぐの平日──。
“今日は親居ないから”と幼馴染の家にお呼ばれした俺は、まだ昼間の早い時間だというのにベッドの上でパンパンしていた。
ギシッ! ギシッ! ギシッ!
パンパンに合わさるように、
「だ、だめ……。激しっ……」
そしてハーモニーを奏でるように、彼女の甘い声が響く──。
連日猛暑日を記録する中、エアコンをガンガン効かせた乙女の部屋で息を切らして汗をかく。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
思春期の心を
パンッ! パンッ! パンッ!
ギシッ! ギシッ! ギシッ!
「あっ……。だ、だめ! 隣の部屋に妹が居るんだから……! やっ。激しっ……。妹に聞こえちゃうから……! そんなにパンパンしないで! いやっ!」
そして──。
満潮のときは訪れる──。
パンパンしないでと言われたらさらにパンパンしろの合図。
そういう
だから俺は力を振り絞り、精一杯にパンパンしてベッドを軋ませる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
限界は近い。
かれこれ十五分はパンパンしっぱなしだ。
休むことなくパンパンし続けることがこんなにもキツいとは思わなかった。筋肉が痙攣を起こし“もうやめておけ”と語りかけているようだ。
それでも、ここでやめるわけにはいかない!
彼女が望むのなら、俺は灰になろうとも最後の瞬間までパンパンし続ける!
そう決心して、俺は今日ここに来た!
迷いはない。彼女には笑っていてほしい。君の笑顔を守りたいから!
「……うっ、あぁぁぁあああ!」
パンッパンッパンッパンッパンッ!
自分の両手を力強く、これでもかと言うほどに叩く──!
そしてベッドの上をトランポリンのようにジャンプ──!
その姿は『ジャンピングスクワット』に励む者!
ギシッギシッギシッギシッギシッ!
「だ、だめぇっ。パンパンしないでぇ……! お願いっ。お願いだからぁっ! も、もうだめぇっ!」
パンパンも佳境に入り、彼女の声のボリュームも一気に上がる──!
妹の部屋目掛けて、壁越しに声を届けるように両手を口に添えて叫ぶ──!
ベッドの上を1人で、ジャンプして両手を叩く俺──!
壁に向かってヤッホーのポーズで声を大にして叫ぶ彼女──!
俺と彼女の距離、三メートル!
軋むベッドに合わせて、サンハイ!
パンッ! パンッ! パンッ!
ギシッ! ギシッ! ギシッ!
あんっ! だめっ! いやっ!
いったいなぜ、こんなことになってしまったのか。
どうして俺は、筋肉が痙攣する程に手を叩きジャンピングスクワットに励んでいるのか。
話は一週間前に遡る──。
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