スキル『鑑定』に目覚めたので、いつも優しい巨乳な受付嬢を鑑定したら、戦闘力99999の魔王な上にパットだった件について~気づかなかったことにしようとしてももう遅い……ですかね?

高野 ケイ

第1話 鑑定したら憧れのいつも優しい巨乳な受付嬢が魔王な上にパットだったんですが……

「ふっふっふ、ようやくだ……鑑定のレベルが上がってようやく、物だけでなく人にも使えるようになったぞ」



鑑定スキルというものがある。例えば、手に入れたアイテムを調べれば未知の物でもどんな効果があるかわかるし、呪われているかもわかる優れたスキルだ。商人だったら必須スキルと言えるだろう。

 だが、戦闘能力は上がらない。そんなスキルで冒険者をやっているのは俺くらいではないだろうか。だから、幼馴染のあいつにもパーティーに誘われたが、断らせてもらった。いや、鑑定スキルで魔王退治は無理だろ。



「まあ、そんなことはどうでもいいんだ。俺はようやく鑑定スキルを極めたのだから……」



 そう、俺がこんな戦闘向けでないスキルで冒険者をやっていたのには理由がある。スキルは命の危機にあったり、使用回数が多いとあがるため、単純に冒険者をやっていると手に入る経験値が高いのである。

 

 そして、極まった鑑定スキルは物だけでなく、人にも使う事ができるのである。ようやく欲しかった力を手に入れた俺は、嬉々とした思いを隠しながら憧れの冒険者ギルドの受付嬢に声をかける。



「サティさん、薬草の納品クエストおわりましたよー」

「アルトさーん、今日も面倒な依頼をこなしてくれたんですね、ありがとうございます。本当に助かってるんですよ!! 冒険者ギルドの依頼って報酬が安い上に色々めんどくさいから、初心者以外中々受けてくれないんですよね」



 そう言って笑顔で俺を出迎えてくれたのは冒険者ギルドの受付嬢のサティさんだ。彼女は天使の様に可愛らしい笑みを浮かべながら俺に話しかけてくれる。

 確かに、冒険者ギルドの依頼は安全だが報酬は安いため、初心者が少ないこの街ではあまり人気がないのだ。


 俺は薬草の良し悪しを調べるのに鑑定のスキルを使うため、レベル上げにちょうどいいし、ギルドの覚えもよくなるので、積極的に受けさせてもらっている。

 あとはこういうのを受けるとサティさんが喜んでくれるんだよな。



「いやぁ、サティさんの笑顔がみれるならこんな依頼いくらでもうけますよ」

「もう、アルトさんはお上手ですねぇ。本気にしちゃいますよ」



 そういって彼女が照れ隠しとばかりに顔を赤くして、俺をたたくふりをすると同時に、ポヨンポヨンと彼女の胸が揺れる。うおおおおお、やっべえ、これは至高の宝ですよ!! メイド服の様にフリルのついた胸を強調する制服のおかげか、サティさんの胸がバルンバルンうごきやがる。

 なんて破壊力だよ、こいつは!! この街の男冒険者で彼女の胸に目を奪われないものはいないだろう。だが、彼女は冒険者とは一線を引いているのか、誰がご飯などに誘ってもあしらってしまうのだ。



 俺は目線を必死に胸からずらしながら、スキルを発動させる。ようやくこの時が来た。中堅冒険者にすぎない俺が彼女と結ばれる可能性は少ないだろう……だったらせめて彼女の胸のサイズがどれくらいかだけでも知りたいというのは愚かだろうか? いや、男ならばわかってくれるはずだ。

 下手したらG……いやHくらいはあるんじゃないだろうか。ふひひひひ、楽しみだ。



「は……? え……? は……?」

「アルトさんどうしました?」



 いきなり押し黙った俺にサティさんが心配をするように顔を覗き込んでくる。まずい……今顔を見られたら俺が動揺していることがばれる。



「いえいえ、何でもないですよ。そろそろ、邪魔になってしまいますのでどきますね」

「ちょっと待ってください。体調が悪いようなので、これを飲んでください。元気が出ますよ」



 そう言って俺を心配するように彼女は俺にポーションを渡してくる。その行動はまさに聖女の様に優しい。だが、今の俺にはそれが何かの策略であるかのようにしか見えなかった。

 


「冒険者ギルド最強の男ブラッディクロス、颯爽帰還!! サティさん、今日もあなたのために魔物を狩ってきましたよ!!」



 救世主とばかりに騒がしい冒険者がサティさんの元にやってきたので、これ幸いとばかりに俺は離脱する。サティさんの何か言いたげな視線がきになるが今はそれどころではない。

 そして、俺は得意げな表情で、サティさんに魔物討伐の報告をする冒険者を何とも言えない目で見送った。

 だって、彼女の正体は……


 

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名前:サティ=エスターク

 職業:魔王

 戦闘能力:99999

 スキル:闇魔術・死霊魔術・変化・支配者のカリスマ・状態異常無効

 胸のサイズ:A

 備考:普段はスライムを胸部に詰めて偽造している。魔物達の支配者

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 魔王でパットなのだから……いや、マジでなんで魔王が受付嬢なんてやってんだよぉぉぉぉぉぉ!!!

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