煎餅には、あったかい緑茶が一番合うと思う。

だけど、時間が経つにつれて、煎餅は湿気ってくるし、緑茶は冷めてくる。

冷めた緑茶は、猫舌の人にとっては適温なのかもしれない。

それに、冷めていても喉を潤すことはできる。

湿気った煎餅はどうだろう？

硬すぎて、口の中を傷つけられた事のある人にとっては、優しくて、丁度良い硬さなのかもしれない。

実際に、「ぬれせんべい」なんてものもある。

きっと、冷める事も湿気ることも、悪い事ばかりではないのだろう。

ただ、湿気った煎餅と冷めた緑茶とでは、

「一番合う」

とまでは、言えなくなってしまう。

どうせなら、湿気った煎餅より、ぬれせんべいの方がいい。

どうせなら、冷めた緑茶より、冷たい緑茶の方がいい。

それでも、「一番合う」とは、言えないだろう。

やっぱり、ぬれせんべいにもあったかい緑茶の方がが合っている気がするし、冷たい緑茶には、何でも合うだろう。

それどころか、冷たい緑茶も何かとセットである必要はない。何か手を加える必要もない。

繰り返しになるが、冷める事や湿気ることが、悪いわけではない。

当然、冷たい緑茶が悪いわけでも、ぬれせんべいが悪いわけでもない。

ただ、「一番合う」とは、言えないだけだ。

時間が経っただけ。

少し変わっただけ。

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