序章

 深い深い森の奥にある小さな神殿。時に取り残されたかのようなその場所に一人の少女の姿があった。


「……」


木々に覆い隠されて星空すら見えないそんな所なのに、少女は一言も話さず夜空を見詰める。


「……また、星が廻る」


そっと呟きを零すと胸元に紐に通してぶら下げている緑の石を握りしめた。


すると緑の煌きが少女の体を包み込み天へと上り消える。そして次にその光が現れたのは青々とした「地球」によく似た惑星の上空。そこから流星に乗り地面へと向けて落ちていった。


ここから少女は多くの出会いと別れを繰り返し、この惑星の未来を守る為戦う使命をもって生きていく事となるのだ。


その先にある結末が少女にとっての罪の償いとなるのか、あるいは運命に抗い新たな人生の始まりになるのかそれは彼女でも知る由もなかった。


これから語られるのは定めに従い宿命を生き抜く運命に導かれた少女の物語である。さあ、新しい物語を紡ごう。

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